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足立区の中卒元ヤン女子が「全国22店舗の洗濯代行サービス」を始めるまで

ビジネス

 様々な業界で働く女性に密着するドキュメンタリー番組『セブンルール』(フジテレビ)。

 12月4日放送の回では、全国に22店舗を展開している洗濯代行サービス「WASH&FOLD」の創業者で代表取締役の山崎美香さんが特集されました。

コインランドリー

photo by auntmasako

 不良となって高校を中退し、就職せずにその日暮らしをしていたという変わった経歴を持つ彼女は、どのようにして洗濯代行サービスを始めるまでになったのでしょうか?

人生に絶望していた彼女が生まれ変わった時

 1968年東京都足立区生まれ。中学校の時に親が離婚し、学校に行かず仲間とつるんで遊ぶ生活をしていました。彼女の進路を憂いた叔母が、彼女を全寮制の高校に入学させますが、わずか1か月で脱走してしまい、そのまま高校を中退します。

 その後は、アルバイトを転々としながらその日暮らしの生活をしていたそうです。当時のことを振り返って彼女は「未来もないし、日々苦しいし、なるべく早く死ねたらいいな」と思っていたと番組で語ります。

 転機となったのは、焼き芋の移動販売。その時に、売ったら売った分だけ結果が返ってくる自営業の面白さに気がつき、スニーカーの転売、果物店、スズ虫の路上販売、カフェなど様々な業態を試します。

 そして、彼女が35歳の時、ケータリング業を始めようと食器を買い付けにアメリカへ渡った時に、旅先でたまたま立ち寄ったコインランドリー店で洗濯代行サービス業の存在を知り、「これだ!」と一目惚れしたそうです。

 日本に帰るとすぐさまケータリング業の構想を破棄し、半年後の2005年3月に「WASH&FOLD」の1号店を代々木にオープンさせました。

「顔が拓いた人を採用する」

 現在、全国に22店舗を擁する「WASH&FOLD」。まるで美容院のような清潔感のある内装に、無料のコーヒーや、雑誌コーナーを置き、既存の洗濯物屋のイメージを覆し、週刊東洋経済の「注目の女性経営者10」にも彼女は選出されています。

 創業してから13年目の今、出店攻勢をかけるべく3年以内に「東京に50店舗、全国で100店舗の新規開店」を目標に掲げて動き出しています。当然、新しく従業員を雇わなければなりません。

 彼女は、新しい人を雇う際に、あるルールがあると言います。それは「顔が拓いた人を採用する」。彼女は「何か想いがあったり、やりたいことがあるって人は勝手に顔が拓くというか輝いている」と番組の中でそのルールを説明します。

 それは、ただ美人不美人というわけではなく、プライドと自信を持って生きている人は自然と顔が輝き、可能性を感じられるそうです。彼女は、「そういう子たちと一緒に仕事がしたい」と続けます。

 紆余曲折を経て、数多くの経験を積み、たくさんの人を見てきた彼女だからこそ、そのような輝いている人を見分けることができる能力に長けているのでしょう。

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