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原油価格はなぜ4年ぶり高騰?「サウジ記者殺害」の影響はあるか

ビジネス

サウジアラビア人ジャーナリスト、殺害の影響は?

 サウジアラビア政府に批判的だったジャーナリストのジャマル・アフマド・カショギ氏。10月2日に、トルコのサウジアラビア領事館を訪れた後に行方不明となりました。

 当初、サウジアラビア側は「総領事館を出た後に行方不明になった」と説明していましたが、20日にサウジアラビア政府は、総領事館内でカショギ氏が殺害されたことを認めました。

 このことは各国のトップにも動揺を与え、トランプ大統領はこの件に関して「史上最悪のもみ消しだ」と強く非難しました。今回の記者殺害で各国が制裁措置を取った場合、その影響は少なからず日本に及ぶ可能性はあります

「原油にとって問題はサウジの説明が米大統領と議会を納得させられるかどうかだが、まだ完全に納得させていないことは明らかだ」「米・サウジ関係の一貫性に疑問が浮上している。市場はこうした疑問に答えるのに苦慮し、原油は上向きの動きとなる可能性がある」(ブルームバーグ 2018.10.22)。

ムハンマド皇太子の将来が「石油価格」を決める?

ムハンマド皇太子

サウジアラビアのムハンマド皇太子 CC BY 3.0

 なぜなら日本は、原油の約40%をサウジアラビアから輸入し、価格変動の影響を受けやすい立場にあるからです。

 また、今回の事件の“黒幕”と噂されるムハンマド・ビン・サルマーン皇太子はサウジアラビア国有で世界最大の石油会社、サウジ・アラムコのCEO。次期国王への即位が確実視されていたムハンマド皇太子の将来が、同社の石油政策が、今後どうなるか注視されています。

 冒頭で書いたとおり2015年にイランと、アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・中国・ロシアが結んだ「イラン核合意」。オバマ前政権が締結したこの核合意ですが、トランプ大統領は2018年5月に離脱する意志を発表し、対イラン制裁を再開。

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