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上司はリスクだらけ?コナミで殴打事件も。3年経過、パワハラ防止法の現在地

コラム

【見えないリスクを回避するために】

和気藹々 談笑 ビジネス

コナミデジタルエンタテインメントの事件を考えたとき、特に上司など職場で影響力のある立場の人はさまざまなリスクが見えてきます。上司や影響力のある立場の人に限った話ではありませんが、人はいつどこで恨まれているのかわかりません。恨む側の人は急に恨みの矛先を変えてくる場合もあります。

例えば、最終的にハラスメントはなかったと判断したのは会社であっても上司個人が恨まれ続けることも可能性としてはあり得ます。ハラスメントはなかったという判断であっても、相談者が精神的苦痛を感じたこともまた事実である可能性があるからです。

ただ、恨むとしても必ず何かきっかけはあると思いますので、優越的な立場を前提としないコミュニケーションを心がけることが大切です。

【意識1つでセクハラは防止できる】

「たった1回くらいで」「たった2回くらいで」などの考えの人がいるかも知れませんが、そもそも就業規則に記載されているセクハラ禁止は1回でもやってはいけない就業規則違反となります。

そのため「これくらいとか、これくらい受け止めるのが普通、この程度のセクハラをかわすスキルは必要」などの考え方をお持ちの待ち人はその考えは捨てましょう。その考え方自体が優越的な立場を利用していることに他ならないからです。社内でも自分より立場が上の人にはセクハラしようとすら思わないでしょう。意識1つで自分自身がハラスメントを防止、リスク対策を強化していけるのです。

【個人でできるリスク対策を意識】

ハラスメントは従業員個人の問題から、やがて事案が長期化、悪化してから調査をすることになると社内の多くの人が関わることになります。事案に関わる人数が増えれば増えるほど複雑化していき、「言った、言わない」など、一連の対応に不満を抱く人の人数も増えていってしまいます。そして会社の対応の問題へと発展していきます。

できるだけ早期に、ハラスメントの疑いがまだ小さいうちに解決に向かうことに越したことはありません。これはハラスメント対策の基本であり、恨みによる事件の発生を回避していくことにも繋がります。会社としての対策は大前提としてあるものの、個人でできるリスク対策を意識することも大切です。

<文/村嵜要>

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1983年、大阪府出身。ハラスメント専門家。会社員時代にパワハラを受けた経験があり、パワハラ撲滅を目指して2019年2月に「日本ハラスメント協会」を設立。年間50社からパワハラ加害者(行為者)研修の依頼を受け、パワハラ加害者50人を更生に導く。
Twitter:@murasaki_kaname

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