話題の二次元キャラ求人「介護しか勝たん!」広告主に聞く、“切実な現実”とは
過疎化を食い止めるための策でもある
まとめると、「中高生が交通手段としてよく利用するJR大湊線」の車内広告で、法人と介護のPRを行い、介護業界全体に対する興味を引くことで、その重要性ややりがいを感じてもらうキッカケになればという狙いあったようだ。
「他にも、萌えキャラをはじめとした二次元キャラには一定数のファンがいます。それらの層が今回の広告から当法人の事業所に就職してもらえたら、若年人口の流出がほんの少し減らせる。ひいては、我々が住んでいる地域の過疎化を食い止めることにつながるという悲痛な思いもあります」
ターゲット層である中高生の心に刺さるかどうかを基準に「ばあちゃんにキュン」「じいちゃんすこ」「介護しか勝たん」というフレーズを採用した。
目にとめてもらうためのフレーズを吟味
「もちろん、企業PRである以上はイメージアップへの期待も0%ではありません。まずは、ターゲットの心に、これは何だ!?って目をとめなければ意味がないと考えた結果です。さらには、中高生に身近さと親しみを感じてもらえるよう、あえてターゲット層に寄せたワードを選びました。とはいえ、ただ単に若者言葉を使うということではなく、ネガティブに受け取られないよう意識しました。より絞り込んだことで、それ以外の人には奇異に感じられたかもしれませんね(笑)」
今回の求人広告や“東北ずん子”を起用したのぼり旗など、前衛的なPRが目立つが、以前から行っている取り組みであった。
「公共の機関が開催した“福祉の仕事紹介フェア”みたいな職業紹介イベントに、東北ずん子のノボリ旗を持ち込んだことが最初だったと思います。その時は会場内に同様の仕掛けをするような企業は存在せず、当法人が浮きまくりました(笑)。ただ、東北ずん子のノボリを見たという高校生が興味本位でうちのブースを訪ねてくれました。以前から、介護の仕事は3Kというイメージが強く、うちのブースにはほとんど人が寄ってくれなかったため、嬉しい驚きでした」