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“低スペック男”のアプリ婚活は「手数を増やすことが基本」大学教授が直伝

暮らし

とにかく手数を打つべし

 商品をPRするためには消費者のニーズを知る必要がある。マッチングアプリでいうと、プロフィールに「こういう人が好き」と書く人は多く、ニーズを知ることは容易である。適切なプロフィールの読み解き方はあるのか聞くと、高橋氏は「ニーズを汲み取ろうとする行為自体が無駄です」と一蹴する。

「就活の場面で考えるとわかりやすいです。セミナーや求人票には、実際のところは企業が求めている人材へのニーズは示されていません。企業は『1人でも良さそうな人材を多く獲得すること』、要するに多くの人が応募してくれることを目指しています。セミナーや求人票では職場の現実や欲しい人材の本音を隠して、良い会社に見えるように演出しているのが実際のところです。

 マッチングアプリに言い換えると、八方美人的に『可能な限り多くの異性を引きつける演出的な内容』を、意識的にも無意識的にも表現しているということ。男性は自分が交際相手に求める属性で、データベース上から女性を検索・ピックアップして、機械的にマッチングの申込み(いいね!を送る)する“ショットガン・アプローチ”、つまりは手数を増やすことが基本戦略となるでしょう

プロフィールに振り回されてはいけない

高橋勅徳

高橋勅徳『大学教授がマッチングアプリに挑戦してみたら、経営学から経済学、マーケティングまで学べた件について。』(クロスメディア・パブリッシング)

 もちろん、これには例外もあるという。

「例外は『年齢〇〇歳差以内の男性を希望します』『年収〇〇万円以上を希望します』というように、プロフィール画面でダイレクトにニーズを記載している場合のみ。これは就活において、『〇〇免許取得済み』といったように採用の前提となる資格などが記載されているのと同じケースです。

 ここで注意しなければいけないのは、『年齢〇〇歳差以内の男性を希望します』といった記載事項は最低条件でしかありません。女性側は最低条件を突破した異性を比較して、その中から最も価値の高い1人を選んでいるにすぎません

 プロフィールに条件を明確に書いている異性にアプローチした場合、『条件を満たしているからマッチ成立するだろう』ということはありません。ここまで考えると、ニーズをなんとか読み取って、ニーズとマッチする異性にアプローチするという立ち回りそのものが、現状のアプリの仕組みでは難しいと私は考えています」

大学教授がマッチングアプリに挑戦してみたら、経営学から経済学、マーケティングまで学べた件について。

大学教授がマッチングアプリに挑戦してみたら、経営学から経済学、マーケティングまで学べた件について。

男女のカジュアルな出会いから真剣な婚活に至るまで、今や多くの人たちが日常的に利用しているマッチングアプリ。 それを題材に、ビジネスの世界の基礎教養といえる経営学・経済学・社会学などの知識を学べるのが本書です。

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