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「なんで結婚しないの?」女性も加害者になる“セクハラ被害”の注意点

学び

「なんで結婚しないの?」 職場の上司や先輩、または同僚から言われたら、「そんなこと聞かれたくない……」と言葉に詰まる人がいるかもしれません。ただ、質問している側は「結婚したほうがいいよ」とか、良かれと思って悪気なく言っている場合がほとんどです。

結婚

※画像はイメージです(以下同じ)

 しかし、職場で業務上必要のないプライバシーにかかわる内容を質問することはセクハラに該当します。昔から雑談でよく起こるシーンですが、今ではそれをセクハラとして受け取る人も増えている時代です。本記事ではハラスメント専門家である一般社団法人日本ハラスメント協会代表理事の村嵜要が言葉のセクハラ事例の解説と注意点についてアドバイスいたします(以下、村嵜氏寄稿)。

「顔が見たいからマスクを外して」

 大阪府の2022年8月の発表によると、大阪府財務部に所属する50代の男性職員が昨年5月から今年3月にかけて、部下の20代女性職員に対するセクハラ行為を繰り返したとして停職6か月の処分となりました

 男性職員は20代女性職員を仕事の名目で別室に呼び出して「顔が見たいからマスクを外して」と発言。他にも「駅で待ち伏せして自宅に連れて行くよう強要し、拒否されると肩をつかんだ」「帰りの電車で手を握り、離そうとする女性職員の手を約5分間ほど離さなかった」「繰り返し飲みに誘った」などのセクハラ行為があったそうです。

 これらは女性職員が被害を申し出たことにより発覚。停職6か月の懲戒処分は免職の次に重い処分となります。

なぜ、セクハラはなくならないのか

ハラスメント

「パワハラに比べて、セクハラはわかりやすい」という声をよく耳にします。しかし、身体に触れるセクハラは簡単に認識できますが、言葉によるセクハラは「それもアウトなの?」と感じる人が意外と多いです。これは男性だけでなく、女性にもまだ理解が足りないと、筆者は感じています。

 男性から女性に対するセクハラはイメージしやすいですが、逆パターンの「女性から男性に対するセクハラ」も、職場で実際によく起きています。ここで、日本ハラスメント協会に寄せられた「男性が被害者のセクハラの相談事例」を紹介します。

 その男性は、女性の先輩社員から「そういうところが可愛い」「さわやかボーイ」とあだ名で呼ばれたり、「女性社員のメンバーで誰がタイプ?」「君は●●さんのようにしっかりした年上女性と相性いいよ」と業務に関係のない相談者個人の印象を勝手に言いふらされているそうです。

 最初はできるだけその場の雰囲気に合わせてノリ良く対応していたそうですが、エスカレートしてきたので被害の申し立てを希望。企業の人事担当者に報告したところ、行為者の女性には個別指導が入り、現在は改善に向かっているようです。

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