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“飲食経験ゼロ”から繁盛店に。歌舞伎町の「行列ラーメン店」女社長のルーツに迫る

ビジネス

 新宿・歌舞伎町で昼夜問わず行列が絶えないラーメン店がある。「焼きあご塩らー麺たかはし」だ。都内を中心に9店舗を展開し、どの店も常に満席の人気店。

たかはし

焼きあご塩らー麺たかはし 新宿本店

 運営する株式会社ヒカリッチアソシエイツとで、代表を務める髙橋夕佳氏@ramentakahashi)は、飲食業界で働いた経験はなかったところから店を始めたのだという。今回の記事では、髙橋氏の「焼きあごだし」に賭ける思いと信念を語ってもらった。

なぜ焼きあごだしなのか?

――2012年にお店を始められていますが、なぜトビウオからとった“焼きあごだし”のラーメン店を開こうと思ったんですか?

髙橋夕佳(以下、髙橋):私は新潟出身なんですが、新潟ではラーメンに焼きあごを使う文化があって、私も子供の頃から親しんでおり大好きでした。とにかくその美味しさをたくさんの人に知ってもらいたいという気持ちが1番ですね。

――お店の功績もあって、2010年代半ばにラーメン業界で焼きあごだしのブームが到来します。今でこそ知られるようになった焼きあごだしですが、お店を始めた10年ほど前は、ここまでメジャーではなかったように思います。

髙橋:九州地方では、さまざまな料理に焼きあごの出汁を使う文化があるのですが、当時の東京ではほとんど皆無でしたね。だからこそ、多くの人に知ってもらうチャンスだとも思いました。

 また、私が20代の初めの頃に子供を産んだので、20代の中盤で周囲の同年代が社会経験を積んでいくなかで、遅れをとっていると感じていました。お店を始めてからは、それを取り戻すという意味ではありませんが、目一杯勉強をしました。

1年半以上苦しい時期が続いた

髙橋夕佳氏

髙橋夕佳氏

――とはいえ、それまでラーメンづくりの経験はなかったんですよね?

髙橋:はい。全くありません。ラーメン好きでいくつかのラーメン店で働いていた夫と、試行錯誤しながら作って行きました。

――すでにラーメンブームが飽和状態になっていたころ、まして、失礼ながら素人の状態から「これだ」という味にたどり着くのは困難もあったかと思います。

髙橋:メディアに取り上げていただくときには、いきなり成功したように扱われることもあるんですが、最初は本当に大変でした。1年半以上は味のために試行錯誤をして、その間はお店の売り上げも苦しい時期でしたね。

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