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月商9000万円以上も…令和に復活した「カリスマ店員」が拓く“オンライン接客”の未来

ビジネス

月9000万円超売り上げるスタッフも

 木崎さん自身も、過去販売員として働いた際、給料が低い状況を嘆いていた。そんな経験も糧にして、STAFF STARTでは店舗スタッフの待遇を改善するため、ショップ店員の年収が1000万円に届くことを目標に、給与体制を構築している

 具体的なインセンティブの額は、企業によって異なるが、投稿したアイテムの購入額の約3%がバックとして入る仕組みとなる。どのスタッフのアカウントページから、どれほどのユーザーが、各企業の購入画面に移動したのか、導線を可視化することで、個々のスタッフがどれだけ貢献したかがわかるようにした。

 STAFF START提携の初期費用は15万円、月額費は2万5000円と決して安くないが、なかには月に9000万円以上売り上げるアパレルスタッフもいるというから驚きだ。仮にインセンティブが3%だとしても、バックだけで月300万円弱を稼いでいる計算になる。

人気スタッフはSNSでシフト表を公開

バニッシュ・スタンダード

バニッシュ・スタンダードは、“令和の日本一のカリスマ店員を決める”と謳い、「STAFF OF THE YEAR 2022」というコンテストを開催している。全国の小売店から約8万名もの参加者が集まった

 さらに実店舗では1対1の接客になるため、木崎さん曰く「1度に売れる金額もせいぜい2万円ほど」だが、オンラインなら、不特定多数に同時に接客できるというメリットもある。

「好きなタイミングで好きなだけ情報を発信できるため、自分のやる気次第で売り上げをあげることが可能になります。しかもオンラインでの接客を通して、アカウントのフォロワーが増えたら、その一部のファンが店舗スタッフに会いに、実店舗を訪れることもできる。

 オンライン接客をきっかけに販売員の認知が広がり、実店舗への送客も期待できるわけです。実際にフォロワーが多い販売員スタッフが、SNSでシフト表を公開して宣伝しているケースも散見されます。ブランドや商品の魅力だけでなく、人で集客できるような仕組みづくりが、オンラインをきっかけに生まれています

 こうした運営を行うことで、“このスタッフに会いに行く、または商品を買いたい”という、実店舗を訪れる付加価値も高まる。店舗スタッフがオンラインでファンを獲得していく形で、小売でも新しい接客の波が定着しつつある。

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