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ストレスや食習慣だけじゃない「円形脱毛症」の原因と予防策を医師に聞く

暮らし

「円形脱毛症」と聞いて、きっと多くの人が「精神的ストレス」を連想するのではないか。しかし、近年研究が進み、ストレスのみが原因であるとは言い切れないことが分かってきた。

髪を気にする男性

画像はイメージです(以下同じ)

 今回の記事では、できることならなりたくない円形脱毛症の原因と予防策について、浜松医科大学で円形脱毛症を専門に研究し、診療を行っている皮膚科の医師、伊藤泰介氏に聞いた。

円形脱毛症はなぜ起こるのか

 円形脱毛症は、医療機関の皮膚科を受診する脱毛疾患の中では最も頻度が高い疾患であり、有病率は世界の人口の2.1%と推定され、年々増加しているといわれる。実際のところ円形脱毛症は、どんな症状のことを指すのか。伊藤氏に解説してもらおう。

「円形脱毛症は、髪の毛などが抜ける自己免疫疾患です。人によって重症度もさまざまで、髪の毛が10円玉程度に抜けるといった、一部分だけが抜けてしまう人もいれば、頭全体や、眉毛やまつ毛、そして全身の毛が抜けてしまう人もいます

「自己免疫疾患」という耳慣れない単語をかいつまんで言うと、「免疫が自分の細胞を攻撃してしまう病気」のことらしい。「本来、自分の体を守る役割を担う免疫ですが、自分の髪の毛の細胞を攻撃してしまうことで脱毛が生じてしまうと考えられているのです」と、伊藤氏。

「自分の心が弱い」と思ってしまう?

伊藤泰介氏

伊藤泰介氏

 日本イーライリリーが2022年2月に、円形脱毛症患者の男女47名に対して実施した調査によれば、70.2%が「円形脱毛症はストレスが原因だと思う」と回答しており、「発症の原因が『ストレス』と思ったことで影響を受けたこと」の上位に「メンタルが弱いと思ったことがある」「自分を責めたことがある」が挙がった。

「円形脱毛症を発症して髪の毛を失うという、見た目の変化で落ち込む患者さんは多くいらっしゃいます」と話す伊藤氏。次のように続ける。

「加えて、『自分の心が弱いせいだ』と自分を責めてしまう人も多いことが、この病気のとてもつらいところです

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