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20代の転職でリスクをとる若者が増加。まだ会社に尽くしますか?

学び

 地方創生が大きな課題となる昨今、副業として故郷での事業を手がける例も増えています。

 知り合いの若手男性は、転職してすぐ故郷で自分の会社を興し、観光や農業、当地ブランドの海外進出支援などお金になるビジネスを始めています。

20代で起業する若手が増えている理由

渡辺紀子

渡辺紀子さん。ハイドリック&ストラクルズ(ナスダック上場)パートナー、日本企業の総責任者

 しかも転職先の会社からの出資も仰げそうとのこと。地方創生のカギも多様な働き方、雇用のあり方にあるかもしれないと思わせる事例です。

 しかも今の20代はフレキシブル。兼業はあくまで本職あってのものという固定観念も崩れています。もし兼業のほうが順調で面白ければ、会社を辞めてもよい、そんな考えの人も増えてきています。

 もちろん趣味を仕事にするのはリスクもありますし、容易いことではありません。けれども今は挫折や失敗も得難い経験として認められ、再びビジネスマンに戻ることも当たり前になってきました。20代で思い切って、起業に踏み切る若手が増えているのも、同じ背景と言えるでしょう。

考え方の変化が若い世代の副業を促進する

 若い世代にリスクについて聞くと、「いえ、妻も働いていますから」との答えも増えてきました。女性の社会進出は、意外に若手の起業のリスクテイクの要因になっているみたいです。

 以前であれば、夫が妻より稼ぎが低いのは恥、というような感覚もあったかもしれませんが、今は時代が違います。「夫は仲間と起業してシェアオフィスで働いているの」と言われて格好悪いと思う若者は少ないでしょう。

 大企業=エリートという画一的な観念が崩れてきたことは日本社会にとって良い方向です。子供がなりたい職業の上位にYouTuberがラインクインする時代です。今の20代も考え方が変わってきて当たり前ですね。

<TEXT/渡辺紀子>

ハイドリック&ストラクルズ(ナスダック上場)パートナー、日本企業の総責任者。東京大学中国語中国文学科卒業。豊田通商、縄文アソシエイツを経て現職にてヘッドハンティング業務に従事。社長や最高責任者、社外取締役、若手幹部候補、スペシャリストのスカウトで多くの実績がある。対話による信頼関係構築を重視し、毎月150人以上の候補者、経営者と面談を行い、最前線で活動

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