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大企業からの転職で後悔する人が増えている?ベンチャー企業の“誤解と後悔”

学び

キャリアアップよりもキャリアダウン

キャリア

――ごく普通の学歴や基礎学力で、新卒時に普通の大企業や中堅企業に在籍している20代の人がスタートアップ企業に転職することはあるのでしょうか?

高野:ええ、いますがその中にも誤解や後悔をしている人はいます。それでも僕はそのような人はキャリアアップよりもキャリアダウンのほうがいいと思っているんです。この場合のキャリアアップは人気企業や有名企業に就職することで、ダウンは人気がなかったり、知名度が低い企業に入ることを意味します。例えば、運送や建設、警備や清掃などブルーカラーが多い業界です。

 こういう業界の企業に入り、経験を積んで若いうちにマネジメントをできるようになり、いずれはワーカーを束ねて独立して、起業をしてもいい。一部を除き、不人気企業が多いですから、採用時も入社後もライバルは少ない。チャンスは人気企業や有名企業に行くよりは、はるかに多いでしょう。

 ところが、僕が相談を受ける範囲ではこのような選択をする人はとても少ない。不人気企業では働きたくない、といったプライドがあるのでしょうかね。

超人気企業に就職しても「全員は活躍できない」

――なぜ、そのような「会社選び」をすると思いますか?

高野:大学受験の偏差値ランキングの影響を受ける、いわゆる学歴病の影響もあるように思います。「就職人気ランキングの順位が少しでも会社に行かなきゃいけない」と思い込む傾向があるのです。その呪縛を解き放つべきですよ。あのランキングに感化されるのではなく、まずはいかに自分が活躍できる場を見つけるか…。そのことを最優先に考えてほしい。

 人気企業に就職し、レベルの高い人の輪に入り、自分を鍛えるという考え方もあるんでしょうけれど、会社員の仕事はそんな甘いものかなという気がするんです。会社員の仕事は、社員間で何かと比較されるものです。それで勝てればいいのでしょうが……。その人から見て、「優秀な人が多いな」と思う会社に行ったらきっと負けます。

 例えば、DeNAやリクルートのような超人気企業に就職しても、全員が活躍できるわけじゃない。僕が知るDeNAやリクルートの社員は地頭がいいし、コミュニケーション力も高い。だけど、優秀な人が多すぎるから、野球で言えば試合に出場することができない社員もいます。それで辞める人もいる。人気企業や有名企業は毎年、新卒や中途で優秀な人を採用するでしょう。代えはたくさんいるから、ある程度の年齢になると、若い人に交代させられます。

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