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20歳で“天才を引退”する「ぼくりり」。若者の才能をムダにほめる大人の罪

コラム

 9月21日放送の『NEWS ZERO』(日テレ系)で、突然のアーティスト引退宣言をした、現役大学生ラッパー「ぼくのりりっくのぼうよみ」(20)。

ぼくのりりっく

CDジャーナル 2017年2月号

 来年1月をもって、音楽活動から身を引くというのです。若者の支持を得て、CMソングなどにも多く起用され、順風満帆と思われてきた中での発表でした。

 そして衝撃的だったのは、その理由。「僕は自由になりたいです」と語り、「ぼくりり」という偶像を破壊したいとまで話していたのです。一体どういうことなのでしょう?

なぜ「ぼくりり」は引退を決意したのか?

 ぼくりりのツイッターを見てみると、彼の思い詰めた様子がうかがえます。

「こんなことなら才能なんてなければよかった。ありきたりな人間に生まれればよかった。」とバッサリ切り捨てたり、「“ぼくのりりっくのぼうよみ”という『天才』を辞すことにしました」とか、「生まれガチャで引いてしまった自分の才能に押し潰されてしまいました」と、才能があるがゆえの苦しみを訴える内容がほとんどでした。

あえてツイートの意味を深読みしてみると

 とはいえ、言葉による表現を仕事にするアーティストの発言を真に受けてよいものでしょうか? つまり、“自分には才能などないのに、周りが天才天才うるさいから、演じるのに疲れた”という皮肉の可能性もあるわけですよね。

 そこで、「輪廻転生」「僕はもういない」という2つの新曲の詞を見てみると、これまでの活動に対してやたらと罪の意識を抱いているようなので、ある程度はガチで天才だと思っていたのかもなぁ、と感じました。

 でも、ちょっと腑に落ちないなぁとも思うのです。たとえば宇多田ヒカル(35)クラスの全国的な知名度を誇るアーティストが「才能に押し潰された」と引退宣言でもしたら、100パーセント衝撃的なニュースとなるのでしょう。

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