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成功する・失敗する学習塾選びの差。話題の京大卒“最年少の虎”が明かす

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中学受験向けの塾は高額化しやすい

ポラリス

――昨今は、中学受験向け塾の高額な学費がよくSNSで話題になりますが、なぜ高くなるのでしょう?

吉村:主に2点理由があります。1点目は、中学受験で受験を決め切ろうとするご家庭が多いからです。中学受験に成功して東大を目指す、医学部に受かるためには難関中高一貫私立に行かなくてはならないなど、中学受験で転げたら、希望の大学に行けないと思っている家庭も多いです。

 このような家庭はだいたい、親御さんは医者、経営者、有名企業のサラリーマンの場合が多いため、年間100万円くらいは余裕で出しますということが多く、中学受験向けの塾は高額化しやすいです。

 2点目は、講師の人件費にお金がかかっているからです。中学受験は普通の大学生アルバイトが急に教えることができるものではありません。東大を目指して、開成中学に入るとか灘中学に入るとなると、まず講師も超高学歴でないと親御さんたちが許さないからです。さらに中学受験経験者となると数が少ないです。

 そのうえ高学歴の人は普通、大手企業に入るので社会人講師として中学受験向けに雇おうとするとお金がかかります。

経営的に厳しい塾は単価を値上げする

――今後、塾業界全体が学費の高額化が起こる可能性もあるのでしょうか?

吉村:長い先まで見据えている塾の会社は単価を上げていく必要があるためです。理由は、少子化が進んでいること、一般入試よりも指定校入試、学校の成績で大学にいけるという割合、推薦の入試の割合が増えたことがあります。あまりに安売りすると経営的に厳しいと考える塾は単価を値上げします。一方で地域の個人経営の塾は可能な限り安くして、入ってもらおうという策に出るため、相場が上がっています。

 うちも値上げ路線です。価値を感じてもらい、たくさん払ってもらおうと考えています。同業者の武田塾さんが「授業をしない」勉強管理型の塾を初めて大きくしました。入試に使う科目をしっかり取ると10万円を超える場合もあります。それでも払われているので料金の二極化を感じます。

――あえて高額な塾に入れるメリットはあるのでしょうか?

吉村:塾は安いから入ってみようという選択をして、半年経って成績上がらなかったら時間を無駄にすることになります。高い塾に変えて時間を取り戻すことはできません。例えば、洋服が欲しい場合、5万円だと高いから1万円にしておこうという選択ができます。後から1万円のものは質が悪かったから5万円のほうを買おうということもできると思います。

 でも、塾は安いほうを選んで浪人したら意味がないため、ある程度の金額でないと逆に不安に繋がります。

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