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ネイティブ以外が使うとヘンに聞こえる英会話「You know」

コラム

 You knowほど頻繁ではないですが、同じようにネイティブスピーカーの表現を真似ることが逆効果に出てしまう表現で耳にするのは、Likeです。

「○○の様なもの」という意味で、It is something like a contract.「契約書のようなもの」などと使います。表現としては同義表現のsimilar toなどよりかなりカジュアルですし、ビジネスなどのフォーマルな場面では、そもそもこのような曖昧な表現がふさわしくないことも多いです。

ネイティブの表現がすべて正しいわけではない

外国人

 また、LikeはSay(言う)のスラング的な同義語でもあります。John said he would take care of it.(=ジョンが自分で対応すると言っていました)を、スラングではJohn was like, “I would take of it.”と言います。

 Be動詞+Likeで「○○がXXと言う」という表現にするのも、ある意味ではネイティブスピーカーのような表現ですが、やはりビジネスには向きません。

 外国語として英語を使うと、細かいニュアンスが理解できないことがあるでしょう。ネイティブスピーカーが普段使っている表現が、必ずしもフォーマルなシーンで適切とは限りません。また、口癖は自分ではなかなか気づきにくいものです。

 プレゼンの上手な人は、ドライランと言って、プレゼンの予行練習をきちんとしてから本番に備えると言います。大切なプレゼンであれば、ドライランをすると同時に、その様子を録画・録音するとよいかもしれません。そうすると、思わぬ自分の癖に気づくこともあるでしょう。

<TEXT/木内裕也>

会議通訳者、ミシガン州立大学研究者。アメリカ大衆文化、アメリカ史の研究を行うほか、国際一流企業、各種国際会議などの通訳を行う。またプロサッカーの審判員としても活躍。著書には『同時通訳者が教える 英語雑談全技術』『耳と口が英語モードになる同時通訳者のシャドーイング』(ともにKADOKAWA)など多数。英語で仕事をする人の応援サイト「ハイキャリア」にも執筆

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