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“ワーキングプア予備軍”をLINEで支援する「相談インフラ」。運営者に聞いた

ビジネス

採用企業の問題も解決できる

就職氷河期世代

就職氷河期世代の雇用を創出

 取材時2022年7月時点で「CHOICE!」登録ユーザーは、およそ1万8000人にものぼるという。

「無料適正診断を受ける方もいますが、そのなかで2~3割はカウンセリングで相談を受けてくださっています。実際に就職や転職を希望する人が7~8割です。それ以外にカウンセリングではなく、直接仕事を紹介して欲しいという方も全体の3割くらいいらっしゃいますね」

 さらに、ワーキングプア層のサポートだけではなく、採用する企業側の問題も解決して、雇用を創生できるようチャレンジしている。

「自分の会社にあった人材が欲しいと思っているのに、本来求めていない人が残ってしまうなどのミスマッチが起きないように、企業側の相談プラットフォームも作っています。電話相談からわかった方々のデータと、企業側が登録してくださった社風や繊細な情報などをAIに流し込んで、双方をマッチングさせるというわけです。

 これまで職業価値観だったりパーソナリティであったり、属性や学歴、職歴でマッチングしていたところを、その方々の個性に当てました。今まで人材業界がなかなか着手できなかった年収が低い方々へのソリューションビジネスを狙っています」

人材業界の対象外になってしまう層

 現在、Compassでは宝塚市や堺市などに対して求職支援サービスをおこなっているが、自治体や、求職企業との協働について聞いてみた。

「今の人材業界は、年収500万円以上の人が対象です。年収500万円以下の中低所得層の方々は、人口比75%くらいと毎年上がっているのにもかかわらず、人材業界では対象外となっています。人材業界のマネタイズポイントは企業側からの紹介手数料なので、どうしても年収の高いアッパー層が対象になるのです」

 Compassは公的サービスとITの組み合わせ“GovTech(ガブテック)”として、職業支援サービスなどを提供している。

「自治体側がシステムを導入してオンライン窓口にするのは、職員の対応が追いつけないという背景もあり、日本ではまだ難しいと課題になっていました。そこで、私たちと『この問題を一緒に取り組んでいこう』と、自治体に対して開発提案して進めることにしました」

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