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米国株は「嵐の前の静けさ」…株価下落に驚く「投資ビギナー」が知るべき大原則

コラム

損をするリスクもあるのが投資の世界

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 次は日本株についてです。コツコツ投資をしていて上手くいってない人は、戦略の見直しや、インデックスファンド以外にも視野を広げて考えてみましょう。「新しい資本主義」を岸田首相が提唱し、資金を誘導する。それが政府の方針です。そこで、税制などで投資をする人、特にビギナー向けに優しい環境を整えてくれているのは事実です。しかし、だからと言って損をするリスクもあるのが投資の世界です。

 特に2021年から今年初めにかけて投資を始めた人は上手くいってないはずです。なぜなら高い時に投資を始めたからです。物価高に悩むのはアメリカだけではありません。ヨーロッパも同様です。欧州中央銀行も7月21日は11年ぶりに金利を引き上げました。こちらも0.5%と大幅な利上げです。

 一方で日本はインフレを抑える政策はほとんど取られていません。2021年は主に3万円台だった株価は今は1~2割下がったまま推移しています。欧米で物価対策のために金利を上げている時に、7月21日にも黒田日銀総裁は金利を引き上げないと明言しました。

金融緩和は事実上不可能なレベル

 残念ながら、日本株は中央銀行のさらなる金融緩和で株価が上がるということはほとんどありえません。なにしろ日本ではこれ以上の金融緩和は事実上不可能なレベルまで行っているからです。2021年の株価3万円台回復で盛り上がった株式投資に押されるように投資を始めた人はあっという間に株価が下がって驚いているでしょう。

 ざっくり言えば、3万円台で買った投資は、株価が3万円に戻るまで損をしたままになります。

 特にコツコツ投資の人に多いインデックスファンドの投資。私はインデックスファンドの投資が悪いとは思いません。しかし、投資の仕方は大切です。しかし、これも始める時期を間違うと、先に書いたように30年間損をしたまま投資をし続けるという苦しみを味わうことになりかねません。

 インデックスファンドを購入するのがいけないのではありません。投資ビギナーだけでなく投資の王道です。しかし、始めるタイミング、つまり、買う価格が大切なのです。インデックスファンドなら、3万円でも2万円でも何でもいいから買っていい、というわけではありません。いつでも何でも必ず投資し続けるというその手法を一度考えてもらいたいものです

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