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サマータイム導入で残業が増える?アメリカ在住者が感じるメリット・デメリット

 2020年の東京オリンピックに合わせて、先月、安倍総理大臣と会談した東京オリンピック・パラリンピック委員会の森喜朗会長が「異常な猛暑に選手たちが耐えられるのか?」と懸念し、その対策のためにサマータイムの導入を要望したことが話題になっています。

 しかし日本では反対の声も多いようですね。

サマータイム

 筆者が住むロサンゼルスでも、3月~11月にサマータイムが導入されているので、そのメリットとデメリットを紹介しましょう。

 ちなみにアメリカでは、デイライト・セービング・タイム(DST)と呼ばれていますが、以下「サマータイム」と表記します(ちなみにアリゾナ州とハワイ州にはDSTは適用されていません)。

日本での反対意見、4つのポイント

 サマータイムとは、そもそも日照時間を活用して電力を節約するために考案された制度。夏場を中心とする期間に時計の針を1~2時間前にずらすことで、日中の明るい時間帯に仕事を済ませようというのです。欧米諸国はじめ約60カ国がサマータイムを導入しています。

<日本で懸念されているデメリットとは……>
①出社時間が早まっても早く帰ることはできず、逆に労働時間が長くなり、睡眠時間も短くなって健康にも悪影響。
②ダイヤ変更をはじめ、システム変更が大変。
③導入している欧米もイマイチということで見直しの機運がある。
④東京オリンピックの暑さ対策という動機が不純。

アメリカは「明るいうちに退社」、日本では無理!?

 ではまず①の「労働時間が長くなる」問題について。

 もし日本でサマータイムを導入したら、朝の出社だけが1~2時間早くなるわりに、早く帰ることはできず、残業が増えてしまうのでは…という懸念です。日照時間の活用と言いながら、日没時間をすぎてやっとタイムカードを押せる雰囲気なのが日本の会社。

 実は日本でも昭和23年から4年間、サマータイムが実地されたことがありましたが、「労働時間が伸びて、国民が寝不足になった」などの理由で、廃止になったわけです。

 対して、アメリカでは、「サマータイムで残業が増える」という声は聞きません。

 もともとアメリカでは、一般的に「長時間残業している人は要領の悪い人」とみなされるため、サマータイムでなくともほぼ定時に上がるのがよしとされています。

サマータイム

 残業せざるを得ない場合でも、1週間で40時間以上労働した場合は、残業代として時給の約1.5倍を支払わなければならないと法律で定められています。残業代が未払いだと訴訟問題にも発展する可能性があるので、サマータイムで残業が増えるという問題は、ほぼないと言えます。

 日本のように、サービス残業がはびこっている社会では、確かにサマータイムで残業が増えるリスクはありそうですね。

早く退社できても、睡眠不足になる人が

 その反面、日が明るいうちに帰宅できるのでショッピングや外食する機会が多くなり、出費も増えるといったマイナス面も。

 しかし夜外出する機会が増えると、就寝時間が遅くなり寝不足になりがちです。ある調査では、米国のサマータイムの間に、会社勤めする人の約87%が8時間以下の睡眠しかとれず、日中の仕事中に眠気を感じて仕事の効率が下がっているそう。

 米国のサマータイムが開始されるのは3月某日の深夜2時。1時間前倒しになるので、この時に時計の針は3時をさします。その際に、深夜働いている人は自動的に労働時間が1時間分マイナスに。時給で働いている人は1時間分の給料がカットされるので、労働者からの不満の声が多いようです(これは日本と真逆の労働時間問題ですね)。

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