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サマータイム導入で残業が増える?アメリカ在住者が感じるメリット・デメリット

システム変更でエンジニアが過労死しそう…

 次に②のシステム変更の問題。

 サマータイムを導入するにあたり、電車、飛行機、テレビ放送、証券取引所、電化製品などなど、すべてのシステムを大規模改修しなければなりません。そのため相当なコストがかかるだけでなく、システムエンジニアの確保も必要となります。すべてのシステム変更をオリンピック前までに終わらせるとなると、エンジニアの地獄のような徹夜作業が危ぶまれます。

時刻表

 アメリカの場合、サマータイムは1986年から法律で導入されているので、テクノロジーの普及とともにプログラミングも問題なく行われてきたようです。またこの国にはすでに複数タイムゾーン(地域によって時刻が異なること)があるので、様々なシステムにもともとプログラミングが対応されています。この点でも、アメリカで問題ないから日本も導入できる…とは言えないでしょう。

 万が一、日本で実際にサマータイムが導入された際には、システムのすべてが反映されずパニックになる恐れを感じている、というシステムエンジニアの声が多くあがっています。

サマータイムは欧米でも見直しの動き?

 そして、③の「欧米でも見直し機運」の問題。特にEUでは、欧州委員会が存続するか廃止するか、近く協議に入ります。

 私が住んでいるカリフォルニアでは、会社勤めの場合、車通勤の人がほとんど。サマータイムで1時間早く起きるのは、肉体的にも精神的にも案外キツいものです。

 夕方のラッシュも早まり、午後2時ごろから高速道路では渋滞が始まります。帰宅中の人はもちろん、まだ仕事で移動中の人達はこの渋滞を考慮して移動しなければならない、というデメリットもあります。

秋の臨時国会で法案提出というけれど…

 最後に④の、「なにも東京オリンピックのためだけにサマータイムの導入をしなくてもいいのでは?」という冷静な意見も多く耳にします。

 例えばマラソンのスタートは朝7時が予定されています。そこでサマータイムを導入して2時間早めると、朝5時スタートで涼しい時間帯に競技できるというわけです。しかし一方で、「競技の時間帯だけを早めてはどうか?」という意見も多いようです。

 賛否両論のこのテーマ。秋の臨時国会で議員立法提出を予定しているようですが、果たして結論はいかに? とにかく今後の論議に注目したいものです。

<TEXT/高橋百々>

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