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32歳で5億円「日本一売り上げるホスト」が語る、“頂点への登竜門”

ビジネス

重圧に負け店内で大暴れしたことも

降矢まさき

売り上げ日本一を達成した一夜。男は歌舞伎町の伝説になった

 当時、ホストになって初めて月間売り上げNo.1を獲得し、翌月にはV2を達成。このまま勢いに乗って、V3は既定路線のはずが……なかなか売り上げを伸ばせませんでした。月末の締め日が近づくにつれ、「一発屋ホスト」「やはり、ただの雑魚」と周りのホストから蔑んだ目で見られるのではないかと、そうした恐怖心や焦燥感が強くなっていったのです。

 それでいよいよ、No.1の座から引きずり下ろされそうになったとき、お酒の力も相まって店内で暴れてしまった。罰として2か月間の出勤停止になってやさぐれていたときに、ほぼ同期のホストである姫乃昴が声をかけてくれたおかげで、今の店に出戻ることができました。

 2年目の1億円から、3年目1億4000万円、4年目5億2000万円と、それ以降も年間売り上げを伸ばし続けられたのは、自分のブランド力を高めながらも、今の自分を客観視する。内省する力がないと身を滅ぼすという教訓が得られたからにほかなりません。

空気を読む力が極上のブランド体験を支える

 マニュアルがないのが、俺のマニュアル――。洞察力をフル活用して、顧客のニーズや心情を先読みしてお応えできれば、お客様から愛されないはずはありません。

 もちろん、組織を管理する側から見れば、全キャストが合理的に業務を遂行するために、知識やスキルを一定レベル以上に平準化してくれる業務マニュアルは欠かせません。ヘルプは担当ホストの話題を口にしないなど、当グループでも接客術をまとめたマニュアルは用意しています。

 しかし、人の心は移ろいやすいもの。接客業しかり、営業しかり、いかに人情の機微に即したサービスを提供できるかが、売り上げを飛躍的に伸ばせるかの分岐点になります。

 例えば、視線。真っ直ぐ俺の目を見るお客様は、客とホストではなく、対等な関係に心地よさを覚えやすい傾向が強いですし、一方で、下から上まで舐めるように俺を見るお客様は、品定めをしている証し。ホスト・降矢まさきというブランド体験を通し、極上のおもてなしと、気持ちが満たされていくカタルシスを味わってもらいます

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