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<漫画>「恐怖を追求した」人気ホラー漫画家。読者を置いてけぼりにしない秘訣

多様な作風を受けいれる土壌が整った

洋介犬

SNSが浸透したことも大きなアドバンテージに

──当時は、その作品にあまり反響はなかったのですか?

洋介犬:というより、時代がそうした作品を許してくれない雰囲気がありましたね。当時、あるテレビ番組で漫画家を育成する企画をしていて、社会風刺っぽい作品を発表している人がいたんです。すると、読者が「異色すぎるな〜」って。そういう時代でした。

──今は、ある程度、社会風刺を受け入れられる土壌が整ったと?

洋介犬:そう思います。4コマ目で盛大なギャグを持ってくる時代から、ショート漫画がきて、Web漫画がきて、萌え4コマがきて、4コマに笑えるオチがなくても許されるようになってきたなと。それと、SNSが浸透し始めてくると、議論が巻き起こるような、あんまりエンタメっぽい装飾をしていないむき出しの主張も受け入れられると思ったんです。

漫画を議論できるツールにしている

──実際、Twitterを中心に『反逆コメンテーターエンドウさん』を定期的に発表されていますね。反響は最初から良かったですか?

洋介犬:数字で言うと、Twitterのフォロワーが2000ぐらいから、今は10万人を越えてますから。SNS上で実社会とリンクした風刺性のある漫画をダイレクトに供給しても読んでもらえるようになったんだなと。

──作品は、社会の常識や当たり前を一度、疑ってみるというのがひとつのパターンになっていますよね。これは、洋介犬さんの主張や思考が反映されているのですか?

洋介犬:いえいえ。僕の考えはほとんどないですよ。エンドウさんほど、優しくないですし(笑)。キャスティングと演出と監督はするけど、キャラクターが何をしゃべるかは任せてるっていうか。登場人物と思想は、同一ではないですね。

──では、テーマを決める上では、洋介犬さんの思想が反映されるのですか?

洋介犬:こういう言い方は良くないのかもしれないですが、“根性論”とか“苦労は美徳”とされてきた昭和の価値観VS令和の価値観っていう構図もあるんですね。SNSが出てきて、これまで正しいとされてきた書籍やメディアの中にも、間違っていたことがたくさんあった。社会の中でも、今まで当たり前だったことも、ハラスメントって言われています。

 昭和の価値観を知っている世代なので、今の価値観と照らし合わせて、これはおかしいんじゃないかと。そういう発想ですね。ただ、「昭和の価値観がおかしい」って断言しているのではなくて、漫画という形を通して、議論できるツールとして提案している感じです。エンドウさんも作中で何度も「自分のことを100%肯定しないでほしい」って語っていますしね。

反逆コメンテーターエンドウさん(1)

反逆コメンテーターエンドウさん(1)

昨今の歪な報道を、誰も言えなかった言葉で稲妻のように貫くコメンテーター・エンドウさん。これは「現代に、もしこんなコメンテーターがいたら」という物語である

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