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“大麻グミ”が格安で…若者に広がる新型ドラッグの深刻な実態

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 近年、従来の薬物から姿を変えて、日常に溶け込む新型ドラッグが現れ始めている。その摘発リスクの低さから、20代以下の若者の間で大ブームに。取材班は、進化するドラッグの最新事情を追った。

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写真はイメージです(以下同)

摘発逃れで進化した新型ドラッグ

 爆音とともに賑わいを見せる六本木のクラブのVIP席。ハイテンションな若者が思い思いに体を揺らすなか、一人の男性がポケットから出したのは、オイルのような液体が入った容器。それを市販のグミに数滴垂らすと、隣の女性に「やる?」と声をかける

「それなに? 草? それともL? 1個ちょうだい~」

 そう答えた女性はグミを躊躇なく口に放り込む。女性がフロアに立っていられなくなるまで、30分とかからず、抱き抱えられるようにして店を後にした。5月某日、取材班が目撃した事例である。

大麻検挙人数の約7割が20代以下

 違法薬物の蔓延が深刻化している。警察庁の統計によると、2021年度に全国で起こった大麻事案による検挙人数は、過去最多の5482人。そのうち約7割が20代以下の若者だった。

ドラッグ

’17年と比較すると、検挙人数は約2倍に増加

 SNSで簡単に取引ができるようになったうえ、見た目もグミやクッキーなど市販のお菓子に混入させて流通していることが原因だと考えられている

 売人歴20年のX氏が語る。

「この2~3年、コカインや大麻、覚せい剤といった“いかにも”なドラッグだけでなく、それまであまり見なかった新型のドラッグが流通してよく売れている。最大の特徴は液状化したことで、大麻にしろシャブにしろ、アイコスのような加熱式のデバイスを使って違法成分を気化させて吸うのがまずはやりました」

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