パワハラされやすい職場の条件10。若手が標的にされないための防衛策は?
パワハラ被害は、自分だけでは解決できない
では、すでにパワハラの被害を受けている若手社員はどう、対応していけばいいのか?
「パワハラは、自分よりパワーがある人から受ける“いじめ・嫌がらせ”ですから、解決困難な場合が多いでしょう。自分だけで問題を抱えず職場の信頼できる人や社内のハラスメント相談窓口、外部の相談窓口等に早めに相談することをおすすめめします。
追い込まれている状況では、適切な対応は思いつかないものです。日頃から、社内と社外の相談できる窓口を確認しておくことが大事です」
そして、もし、まだ相手と対話ができる状況なら、「『Iメッセージ』というコミュニケーションスキルを使ってみてはいかがでしょうか」と和田さん。
「Iメッセージは、『私は』を主語にして、相手の行動とその行動から生じる自分の気持ちをセットにして表現するコミュニケーションスキルです。
例えば、課長からの叱責が長時間続いてキツいとき、つい『(あなたは)どうしてそんなに話が長いんですか?』と言ってしまいたくもなるでしょう。しかし、そうではなく、『お話が1時間以上続いているので(わたしは)精神的につらいです』という表現で伝えるのです。
Iメッセージは、自分を大切にし、相手も配慮した表現になるため、上司も冷静に受け止めることができます」
体操協会の動向に注目が集まる影で、あの“夢の国”東京ディズニーランドでもパワハラ問題が明るみになるなど、働く人すべてにとってパワハラは他人事ではありません。
自分にできることを一つでも多く実践しつつ、周囲のサポートを積極的に受ける――パワハラ耐性をアップしていくのも、若手ビジネスマンには必要なのかもしれません。
【和田隆さん プロフィール】
メンタルプラス株式会社代表取締役。カウンセラー、コンサルタントをする一方、ハラスメントやメンタルヘルス、睡眠改善、コミュニケーションなどをテーマに、民間企業や官
公庁、教育機関で講演・指導を行う。著書に『パワハラをなくす教科書 「健康経営」を実現する基本と原則』(方丈社) http://mentalplus.co.jp/
<TEXT/bizSPA!取材班>