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予想以上に多い「文章を読めない人」。それでも伝わる文章を書くには

学び

 メールや企画書など、仕事をしていると必ず文章力を問われる場面に遭遇します。あるいは、プライベートでブログやSNSに投稿する内容も同じように文章力が問われるでしょう。なかには「読みやすい文章が書けない」「伝わる文章が書けない」「簡潔な文章が書けない」という悩みを抱えている人も多いかもしれません。

文章 パソコン

※画像はイメージです(以下同じ)

 そんな悩みを解決するには、「自分ファースト」から「読み手ファースト」の文章を書くことが大事です。UXライター、コピーライターである宮崎直人さん@nao_ux_copy)の著書『秒で伝わる文章術』(フォレスト出版)には「読み手」の視点を身につけるためのヒントが満載です。

 今回は同書より、「文章を書く人が知っておくべきこと」についての分析を掲載します(以下、同書より一部編集の上抜粋)

文章を書く人が知っておくべきこと

 あなたが文章を書く上で、絶対に知っておかなければならないことが1つあります。それは、「人間は文章を読まない」ということです。大事なことなのでもう一度言います。人間は文章を読みません。「文章を読む」という行為は、人間の脳にとって、私たちが思っている以上に非常に負荷の大きな作業になります。人間の脳は膨大なエネルギーを必要とする器官なので、なるべく省エネをするように設計されています。

 脳科学者のグレゴリー・バーンズ博士は、「人間の脳は基本的にナマケモノだ」と言いました。「リソースを節約するために、なるべく文章を読まないようにしよう」と勝手に判断するわけです。これが、「人間は文章を読まない」と言い切る理由です。

 人間の脳が文章を読むのに向いていないことは、あらゆる研究で証明されています。その中で、製品やサービスの使いやすさを追求するユーザーエクスペリエンスの分野で有名なのが、ウェブユーザビリティの第一人者であるヤコブ・ニールセン博士が書いた「ユーザーはいかにテキストを読まないか」という文献です。

人間は文章の20%しか読まない

秒で伝わる文章術

宮崎直人『秒で伝わる文章術』(フォレスト出版)

 ニールセン博士の調査結果では、1200単語を超える文章の場合、20%(240単語)程度しか読まれていないそうです。英語の単語数を日本語の文字数に換算すると約2倍といわれているので、2400文字の文章の場合、480文字程度しか読まれていない計算になります。

 この文献は2008年に発表されたものですが、2022年の現在では、当時よりはるかに人間は文章を読まなくなっていると考えられます。スマホの登場により、「読む」という体験そのものが大きく変化したからです。

 2021年6月「ハフポスト日本版」の前編集長・竹下隆一郎氏がTwitterである記事をシェアしていました。米国のオンライン経済メディア「Insider」の編集長が「1記事を600ワード以内に制限せよ」と指示したという記事です。その理由も、読み手にとっての読みやすさを意識したものでした。

秒で伝わる文章術

秒で伝わる文章術

「読みやすい文章が書けない」「伝わる文章が書けない」「簡潔な文章が書けない」文章を書く上で、もしあなたがこうした悩みを持っていたとしたら、その悩みを一瞬で解決する方法があります。「読み手ファースト」で文章を書く。たったこれだけです

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