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ソロキャンプの次のブーム「野湯」。マニアが語る危険でもやめられない魅力

暮らし

ポストコロナのトレンドに?

野湯

青みを帯びた美しい湯に疲れが吹き飛ぶ/たつこの湯(秋田県)写真提供/瀬戸圭祐

 野湯ツアーは新潟県糸魚川市の梶山元湯でも運営されているが、野湯はポストコロナの観光の起爆剤になりうるのだろうか。淑徳大学観光経営学科教授の千葉千枝子氏は、安全面などの観点から管理されていない野湯は推奨できないとしながらも、こう述べる。

「コロナ禍によって、3密を避けられるキャンプがブームになり、人々の旅のスタイルは大きく変わりました。人に知られていない場所を開拓するという、アドベンチャー要素のあるアウトドアの旅は、一過性のブームではなく、ポストコロナでもトレンドとなっていくでしょう

 ソロキャンプの次は野湯がブームになるかもしれない。

瀬戸氏が選ぶ「究極の野湯5選」

野湯

瀬戸圭祐氏 写真提供/瀬戸圭祐

【江合川源流の野湯群(宮城県)】
宮城県北部から中部を流れる江合川の源流で最近発見された4つの湯。通称「黒玉の湯」は’10年代半ばに発見された。東日本大震災による地殻変動で湧き出したといわれている

【通し川の湯(鹿児島県)】
湯の池地獄上の湯と下の湯を結ぶ天の川のように美しいコバルトブルーの湯の川で、森の緑のトンネルからとめどなく流れる。湯から立ち上る湯気が木漏れ日で輝き幻想的

【御釜湾海中温泉(東京都・式根島)】
御釜湾まで漁船をチャーター、停泊ポイントから泳いで湯にたどり着く。湯船に浸れるのは大潮の日の干潮ピークの1~2時間。訪問条件がそろうのは年に数回という、奇跡の野湯

【中ノ沢温泉(栃木県)】
那須岳にある、日帰りでのアクセスが可能な最難関の野湯。やぶをかき分け、たどり着くのに4時間半。復路は往路以上にきつく、最後は暗闇の中を下山した。まさに命がけだ

【硫黄山の湯(北海道)】
弟子屈町にある硫黄山の岩だらけの山肌を進むと、突如美しい湯船が現れる。眼下に原生林の樹海が広がる最高の景色が楽しめる。落石が多発する危険地帯で、現在は立ち入り禁止

野湯

崩壊が激しく、現在は立ち入り禁止/噴泉塔の湯(栃木県)写真提供/瀬戸圭祐

<取材・文/大橋史彦 写真提供/瀬戸圭祐>

【瀬戸圭祐】
アウトドアアドバイザー、野湯マニア。約20年間に訪れた野湯の数は80以上。著書に『命知らずの湯』(三才ブックス)などがある

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