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ソロキャンプの次のブーム「野湯」。マニアが語る危険でもやめられない魅力

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野湯に入るには?

野湯

写真提供/瀬戸圭祐

 では、野湯に入るにはどうしたらいいのだろうか。まず大切なのは情報収集だ。

「山は崖崩れや台風などの影響で地形が変わることがあるので、最新の情報を入手することが重要です。野湯の情報は少なく、ネットの情報が古くて状況が変わっていることもあります。コミュニティに参加すれば比較的新しい情報を入手することができます」(瀬戸氏)

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源泉槽から溢れ出た湯で海を眺めて入湯/片瀬海岸こぼれ湯(静岡県)写真提供/瀬戸圭祐

 次に装備だ。通常のトレッキングの装備に加え、折りたたみ式スコップ、ウオーターシューズかスポーツサンダル、厚手のゴム引き手袋、水着、タオル、レジャーシート、非常食を含めた食料、多めの飲み物はマストアイテムだ。

「野湯は、湯温が熱すぎる場合もあれば、ぬるすぎる場合もあります。スコップで川底を掘って源泉を調整したり、川の水を引いて適温にすることが必要。岩場ではスコップが使えないので、厚手の手袋が役立ちます」(同)

一方、野湯には危険がいっぱい

 野湯を楽しむにはマナーも重要だ。人に遭遇することはめったにないが、入浴の際は水着の着用が必須。また、自然への配慮も忘れてはならない。ゴミを持ち帰るのはもちろん、シャンプーや石けんなどの使用はもってのほかだ。

野湯

毒ガスの噴出で立ち入りが禁止になる野湯も。ガスマスクをつけて入浴するマニアもいる 写真提供/瀬戸圭祐

 一方、野湯には危険がいっぱい。命に直結するのは、硫化水素ガスなどの有毒ガスだ。瀬戸氏もガスによる危険を体験したと言う。

「湯船に浸かっている時に気持ちよくなり、意識を失いかけたことがあります。幸い、一緒に行った仲間が助けてくれ、すぐに移動したのでことなきを得ました」

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土石流が頻発する有毒ガス地帯!/奥の院地獄(宮城県)写真提供/瀬戸圭祐

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