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気を遣いすぎは逆効果?「いい人なのに嫌われる」人の特徴を読み解く

キャリア

現代は他人の本音を正しく察するのが難しい

いい人なのに嫌われるわけ

 さらに問題なのは、他人の状態や感情を敏感に察知したところで、読み取った結果が合っているとは限らないということです。狩猟・採集時代のように、同じ環境で長い時間をかけて生活を共にしている集団であれば、お互いの性格や性質も熟知しているので、おおよそのことは推測できたでしょう。

 しかし、現代にそこまで親密な「内集団」は存在しません。たとえ家族でも、子どもが成長するとともに関係性は薄くなって、それぞれ自立していくことがほとんどです。そうなると個人は内集団から離れて、学校の友人や職場の同僚など外部の人間と関わるようになります。これが「外集団」と言われるものです。

 このような外集団の人たちは、一時的に仲間として行動を共にしますが、お互いの背景まではよく知りません。異なる環境で育ってきた他人ですから、本来は感情を正しく想像することは難しいはずです。つまり、「気遣いさん」が読み取った相手の本心は、取り越し苦労や誤った判断である場合も多くなってくるのです

職場での「察し合いの文化」は限界に

 日本では社会の構造的にビジネスでも「察する」ことが必要とされます。実際に、人材採用の場面でもコミュニケーション能力が評価され、感情の読み合いや気遣いを示せる人物のほうが交流能力が高いと判断される傾向にあるようです。

 そうした状況のなか、近年は新型コロナウイルスの感染拡大にともなって、職場や家族とのコミュニケーションもリモート化しているのが現状です。オンライン上のやりとりでは、表情や感情はさらに読み取りにくく、「察して先回りせよ」という慣習にも限界が出てくるに違いありません。

 コロナ禍でのコミュニケーションがうまくいかないという理由から、対面での打ち合わせを再び推進する企業が出てきているようです。しかし、そうまでして察し合いの文化を継続したほうがいいのでしょうか。日本社会や日本企業は、これを機に再考するタイミングを迎えているのではないかと思います

いい人なのに嫌われるわけ

いい人なのに嫌われるわけ

「いい人」のはずなのに、なぜか人をモヤモヤさせて嫌われてしまう人、あなたの周りにもいませんか?そんな人間関係の謎を、進化心理学の専門家である著者が「サルからヒトへの進化」「狩猟・採集時代から文明社会への変化」という視点から解き明かします

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