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「社会人10年目の壁」を乗り越えるには?「慣れた」「飽きた」は危険なサイン

学び

バランスのよいチャレンジを

 具体的にどんな「一歩を踏み出す」のかというと、たくさんの選択肢があります。もっとも身近な選択肢は、管理職への一歩です。これまでは自分さえ頑張ればよかったものが、人に動いてもらわなくてはいけない。

 これを考えるのは、成長の大きな機会です。できれば、今やっている仕事の範囲で、役割だけ変わるのが理想です。勝手知ったる領域に軸足をおきながら、初めての役割で担当する、というがもっともバランスのよいチャレンジです。

 ある程度自分のやり方でやれている間に、ライフイベントを加えるのも一つです。結婚や出産・子育て、引越しなど、それなりに負荷がかかりつつ、人生が豊かになるチャレンジをするわけです。仕事もチャレンジ、生活もチャレンジだと、そのしわ寄せは心身の健康に影響をきたすことにもなりかねません。

4年目は一歩踏み出すタイミング

出張

 他にも、同じ領域の仕事の延長で海外に進出するとか、同じ仕事の領域で転職をしてみる、というのもあるかもしれません。社外との交流を増やしたり、その先に社会人大学院や専門学校などでリスキリングの機会を持つこともできるでしょう。

 最近では、余った時間で副業をして、新たなキャリアの端緒とするケースも選択肢になりやすくなってきました。

 それほどの負荷を感じることなく仕事がまわせるようになったら、たとえば3年間同じ仕事をしたら、4年目は一歩踏み出すタイミングだと考えましょう。一歩踏み出す先の選択肢は、社内外にたくさんあるのです。

<TEXT/株式会社アイデミー取締役執行役員COO 河野英太郎>

株式会社アイデミー取締役執行役員COO、株式会社Eight Arrows代表取締役、グロービス経営大学院客員准教授。東京大学文学部卒業。同大学水泳部主将。グロービス経営大学院修了(MBA)。電通、アクセンチュアを経て、日本アイ・ビー・エムにてコンサルティングサービス、人事部門、専務補佐、若手育成部門長、AIソフトウェア営業部長などを歴任

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社会人10年目の壁を乗り越える仕事のコツ

社会人10年目の壁を乗り越える仕事のコツ

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