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「社会人10年目の壁」を乗り越えるには?「慣れた」「飽きた」は危険なサイン

学び

 最近同期たちが次々に昇進していく……。SNSでは、学生時代のサークル仲間が「MBAをとった」と発信していたな。コロナ禍でも転職して昇給したなんて話も聞く……。決して、ぼーっと生きてきたわけじゃないんだ……けど、なんか焦ってきた。そろそろ管理職にならなきゃいけないけど、マネジャーとかリーダーとかって何すんだっけ?……なんかモヤモヤする

年収

※画像はイメージです(以下同じ)

 そんな悩み多き社会人10年目前後の人たちに向けて、電通、アクセンチュアを経て現在は株式会社アイデミー取締役執行役員COOを務める河野英太郎氏の著書『社会人10年目の壁を乗り越える仕事のコツ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より「キャリアの壁」の乗り越え方についてのコツをお伝えします(以下、河野氏寄稿)。

「慣れた」「飽きた」は、退化のサイン

 仕事というのは、1度目よりは2度目、2度目よりは3度目がうまくいくものです。ただ、4回、10回、100回……と同じことを続けていくと、習慣化されて、とくに考えなくてもできるようになり、精神的負荷も下がっていきます。

 これは、一見良いことのように思えますが、違う見方をすると、刺激がなくなり、刺激によってもたらされる高揚感や成長実感も少なくなっていく、という側面もあります

 社会人になって数年から10年前後となると、この習慣化部分の割合がかなりのレベルまで上がるタイミングでしょう。同時に、周りからの評価もあがり、頼りにされ、自分が中心になって仕事をまわしている自負も加わり、充実感を感じる瞬間も増えるものです。

 私はこれをよく「コンフォートゾーンにいる状態」と説明します。コンフォートゾーンにいる状態は、その時点を捉えると大変良いことですが、中長期的な視点で捉えると、成長しなくなり時代に取り残されるという意味で、実は危険極まりない状態とも言えます

コンフォートゾーンから抜け出すには

社会人10年目

社会人10年目の壁を乗り越える仕事のコツ (ディスカヴァー・トゥエンティワン)

 コンフォートゾーンが訪れるタイミングというのは、個人差がありますが、目安としては3年とお伝えすることにしています

 千利休が遺したという「守・破・離」という言葉があります。最初は迷いながら習いながら実行し、次に改良しながらやってみる。そしてさらに完全に自分独自のやり方でやってみる。という成長の3段階を表現しています。これを通常の予算サイクルである年度ごとに実施してみると良いのではないか、という考え方から、3年とお伝えしています。

 自分独自のものを見つけてもそれを何度も繰り返していると、学びや工夫、成長の幅が狭まり、そのままでは退化してしまいます。そうなったら、一歩踏み出してみることを強くおすすめします。

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社会人10年目の壁を乗り越える仕事のコツ

社会人10年目の壁を乗り越える仕事のコツ

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