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マツダが進める「自動運転」技術。7年もかかった開発の苦労を聞く

ビジネス

運転で元気になることと安全を両立

マツダ

 栃岡氏は、7年前にマツダが気づいていた「生活の中で楽しく運転をしていると、運転寿命や健康寿命を延ばすことにつながる」が、証明された形だと語る。

マツダでは、自ら運転して元気になることと安全を両立するという考えに基づき、開発をおこなっています。そのためハンズオフ製品についても、たとえば疲れにくい運転環境を作ることによって、より楽しく運転が継続できるなど明確な目的や効果みたいなものがあって、それが社会的にしっかりと認められたときにはやっていくべきだと考えます」

 車を運転することで要介護認定や認知症のリスクを減らしつつ、運転寿命や健康寿命を延ばすことにつなげたいと意気込むマツダだが、世間では若者の車離れが取り沙汰されて久しい。

若者の車離れは「運転の不安」

マツダ

「若者に対する意識調査の結果で、車離れする理由について『事故などが起こるので運転が不安である』という声が多いと聞きます。そのため今後も我々が、楽しく安心安全な車を開発しながらそれを伝え、『車は自分が思っていたよりも安全安心な乗り物』だと知ってもらうことからだと思っています」

 また、「車はいま、安全安心な乗り物になろうとしているとストレートに伝えたい」と語る栃岡氏。もともとマツダは、車の柱部分を生かして衝突時の生存空間を守ったり、柱の中にエアバックのようなものを入れて多方向からの衝突に備えたりと、安全へのこだわりが強いことで知られている。

「一部はすでに商品に織り込み済の技術ですが、運転に苦手意識がある方でも、車を意のままに操れる技術にも力を入れています。『ここに車を持って行きたい』『こういう風に運転したい』という思いにピッタリ添うことができれば、自己効力感や達成感が高まるといわれていますし、万が一、危険が迫ったときにも自らの力で回避しやすくなるのです。このように、走る喜びと安心安全に高いレベルで常に取り組んでいます」

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