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中国のウイグル族弾圧に日本政府は“弱腰”だが…あえて「賢明」だと言えるワケ

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ウイグル弾圧は中国14億人へのメッセージ

 そもそも中国はなぜ新疆ウイグル自治区でこのように理不尽な迫害を繰り返しているのかというと、そこには戦略的な理由と思想的な理由がある。新疆ウイグル自治区は中国のユーラシア大陸への重要な入り口の一つであり、地下資源も豊富な地域である。

 歴史的にはテュルク民族(トルコ系)の母国とされるトルキスタン(テュルクの人の土地)の東部がこの新疆ウイグル自治区なので、トルコでは今でもこの地域を東トルキスタンと呼ぶ。ウイグル自治区の漢民族化は、中国共産党にとっては極めて重要である。

 思想的な理由はイスラム教徒で誇り高く独立機運が高まりやすいウイグル族を弾圧することで、14億人全員に中国共産党に逆らうなというメッセージを送っていることである

 また米中対立が先鋭化し経済的・軍事的に対中包囲網が強まっていることや香港の民主化運動、中国政府が香港同様に「一国二制度」を強要している台湾問題も影響していると見るべきだろう。

毛沢東の文革時代を彷彿させる現政権

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 新疆ウイグル自治区にはハイテク技術を駆使した監視管理システムが構築されているという。自治区の住民はQRコードで管理され、全ての自動車に追跡装置が着けられ、いたるところにAI監視カメラが張り巡らされている。個人の行動の全てを監視しているというから、世界でもまれな監視社会になっている。

 習近平政権の信仰・言語・個人の自由・民族的文化までをも奪う、こうした弾圧の仕方は、毛沢東の文革時代を彷彿させ、従来のどの政権よりも過激で悪意に満ちている

 バイデン大統領は米中の対立を「民主主義と専制主義の闘いだ」と評した。一方、習近平政権は自国の分断化を懸念し、さらに統制力を強めると同時に覇権を急いでいるとしか思えない。

 世界の国々が、開かれた自由主義的価値観に基づく米欧陣営と、閉じられた専制主義的価値観に基づく中国陣営のどちらに与するかと言えば、長きにわたる新疆ウイグル自治区に対する中国の弾圧の歴史を見れば自ずと解が得られる。中国としては、ウイグル弾圧を即刻止めなければ、西側陣営の多くの国・地域が2022年の冬季北京オリンピックをボイコットすることを念頭に置いておくべきだろう

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