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消えゆく「ビン牛乳」。森永乳業に、ビンの宅配をやめないワケを聞いた

ビジネス

宅配の利用者は60代以上の女性が7割

左から「ラクトフェリンFe」「うるおうグルコサミン」「森永カルダス」

左から「ラクトフェリンFe」「うるおうグルコサミン」「森永カルダス」

 宅配市場はいわゆる“見守り”などの役割から、少子高齢化社会のセーフティネットとして期待する声もある。

家庭宅配のご利用者はその多くが60代以上の女性です。全体の比率は7割ほど。契約期間も10年、20年以上と長い方もいらっしゃいます。配達される商品を『毎日飲んでいるから、健康でいられる』とありがたい声もいただいています。また、宅配専用の『カラダ強くするヨーグルト』など、30~40代で子育てに励む主婦層の方々に人気の商品もあります」

左から「森永牛乳」「森永珈琲」「森永マミー」「濃厚エースミルク」

左から「森永牛乳」「森永珈琲」「森永マミー」「濃厚エースミルク」

 市場調査を手がける矢野経済研究所によれば、2020年度はコロナ禍の影響もあり食品宅配市場全体の市場規模が2兆4969億円で前年度比14.3%増加。牛乳宅配市場もその一翼を担っている。

コロナ禍で受けたプラスとマイナスの影響

瀬尾さん

 コロナ禍の巣ごもり需要は、同社の声を聞くと、プラスマイナス両面の影響があったようだ。

宅配事業の実績として、2020年度3月期で209億円(前年比3%減)を計上しました。2020年度~2021年度にかけて、コロナ禍での健康意識の高まりを受けて、ご契約いただいている方の解約率は例年より低下しました。

 一方で、新規契約者との接点が失われたのもあります。宅配事業の営業手段は基本的に対面型で、これまでは各家庭への訪問や小売店の店頭での試飲会、既存契約者がクチコミで友人や知人の方へ紹介していただくケースの3パターンが主でした。コロナ禍でじかに商品をアピールする場所がなくなってしまったのは、1つの課題です」

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