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しまむらの業績がコロナ禍でV字回復。他アパレルと明暗を分けたのは

ビジネス

 国内では2020年3月からコロナによる経済活動への影響が出始め、2020年および2021年度の決算で大手各社が業績悪化を発表。飲食・旅行と同じく大打撃を受けたのがアパレル業界です。休日に出かける予定がないのであれば外出用の服を買う意欲は無くなり、そもそも出かけないのであれば衝動買いをする機会も減ってしまいます。

しまむら

©tamayura39

 東京商工リサーチによると、2020年に倒産したアパレル関連企業のおよそ30%がコロナが要因で倒産したようですが、今年はその数字が50%に上りました。そしてコロナの影響は小売店から卸業者やメーカー、繊維工業へと連鎖しています。

V字回復を遂げたしまむら

 そんな中、ファッションセンターしまむらでおなじみの「株式会社しまむら」はそれまで減収が続いていたにもかかわらず、むしろV字回復をとげるほど売れ行きは順調なようです。好調な理由はどこにあるのでしょうか。

 株式会社しまむらの主な事業には、しまむら事業(1426店舗)の他、カジュアルファッションのアベイル事業(314店舗)、ベビー用品のバースデイ事業(303店舗)があり、他には雑貨店のシャンブル事業などを展開しています。FC店を募集していないことからほぼ直営店であると思われます。同社決算資料によると2017年2月期から21年2月期までの業績は以下の通りです。

【売上高】5655億円⇒5651億円⇒5460億円⇒5220億円⇒5426億円
【営業利益】488億円⇒429億円⇒255億円⇒230億円⇒380億円
【最終利益】329億円⇒297億円⇒160億円⇒131億円⇒262億円

打開策によって客単価が上昇

ファッションセンターしまむら

しまむらグループ公式サイトより

 5年間の業績を見るとコロナ以前の20年2月期まで減収減益が続いていたようです。主力のしまむら事業は店舗数を増やし、広告戦略の重点をチラシからTV、WEBへと変更したものの、客数が伸びなかったうえ客単価の減少も相まって業績は悪化。流行に対応できなかったことや「しまむら=安っぽい」というイメージを払拭できず飽きられてしまったことが要因として考えられます

 しかし、コロナ真っ只中の21年2月期は回復に転じました。PB商品やサプライヤーとの共同開発品をアピールして従来イメージからの脱却を図ったほか、在庫管理の徹底によってロスをなくし値下げを防ぐことに成功しました。客単価上昇にもつながっています。

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