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働く女性同士の恋 “社会人百合”とは?描いたきっかけを人気漫画家に聞く<マンガ>

暮らし

一番はチームの人間関係が良好であること

ユニ:あとは実務的な部分で、マニュアルを必ず作るようにするとか。フォルダーを整理して、誰が見てもすぐに欲しい情報が取り出せるように工夫していましたね。最初の段階では時間かかるんですけど、これは何回も使っていれば、いちいち説明する手間が省けるので、引き継ぎとかも楽です。

 私が明日行けませんってなっても、誰かが対応できる状態にして、1人で1つの仕事を抱え込まない状態を作ることは工夫していましたね。このように、1人で抱え込まないために業務の見える化が重要です。

 ですが、一番はチームの人間関係が良好であることが大切だと思います。仲よしになるというよりは、仕事をする上で信頼してもらう。相手をバカにしないとか、陰で仲間の文句や愚痴を言わないとか、信頼して仕事を任せるとか、頼まれた仕事は必ず遂行するとか、当たり前のことをひとつずつ積み上げていきました。

 その結果、何かあったらお互い助け合おうと自然に思える環境を作ることができたんだと思います。当時の上司はかなり我の強い方だったので、そこに至るまでが大変でしたが……(笑)。

社会人経験が創作に役立っている

ヒトゴトですから!

『ヒトゴトですから!』©ユニ/祥伝社

――いい意味で周囲を巻き込んで工夫されていたんですね!

ユニ:どうやったらビジネスの生産性が上がるかという勉強もずいぶんしましたね。その過程で、創作の中で描く仕事ができる女性キャラクターがどういう風に仕事を回しているかの理解も深まりました。結局私が普段ビジネスのために勉強していることは、きっと彼女たちも取り組んでいることだと思います。登場人物が学んでいるであろう知識を、私も実際にビジネスでやっているという感覚で、より積極的に勉強しようという気持ちになりました。全部つながっていますよね。

――ユニさんの描く百合作品と「働く女性」というテーマは切り離せないように感じます。そこには会社員としての経験も影響していますか?

ユニ:社会人として働くお姉さんはこんな感じなんだと、実体験を通して知れたのは大きいのかもしれません。どうしても学生だと、イメージできる範囲が狭いので、社会に出て実際に会社で働いている人たちを見て、あ、こういう人たちがいるんだ! と知って、かなり創作に影響している面はあります。会社で働いている女性同士の百合を描いて「これだこれだ! 私はこういうのが読みたかったんだ!」という手応えがありました。

ヒトゴトですから! 1

ヒトゴトですから! 1

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