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早期リタイヤ「FIRE」を目指す人が急増。できる人とできない人の差

コラム

5年分の生活費があれば株下落時も安心?

 FIREでは投資した資金が暴落した場合でも、過去の米国株式市場の値動きから5年あれば価格が回復すると考えます。

 実際に、S&P500は2000年前後のITバブルの崩壊、2008年のリーマンショック時に大きく下落し、5年後に同水準の価格に戻っています。そのため投資先が米国株式のうちSP500の場合に限ります。そのため、株式市場が暴落した場合は投資した資金には手を付けず、預貯金を取り崩すことで投資資金を使わない選択肢をとります。

 ある程度、投資資金が貯まった段階であれば預貯金を取り崩すことができますが、FIREに取り組み始めたばかりのタイミングで市場が暴落したら、FIRE自体を諦める人も出てくるでしょう

 他にも、利回りシールドという考えが出てきます。利回りシールドでは、配当金や分配金の受け取ることが株式市場の暴落に対するクッションになると説きます。市場が悪いときに配当金や分配金を受け取り続けることができるかわかりませんが、ひとつの考え方としては有効でしょう。

FIREを目指す人の懸念

FIRE

 FIREに憧れる若者が多くても、実際に目指す若者はごく一部でしょう。多くの人は、憧れを憧れのままにして、行動を起こす人は少ないと考えられます。その場合に、実際にあなたがFIREを目指すグループに属した瞬間から、今までの友人たちと話が合わなくなる可能性があります。理由はあなたが異分子になるから。

 そのため、あなたはFIREを目指す人たちと新しいコミュニティを作る必要があるでしょう。所属するコミュニティを失うリスクを負えるかどうか、FIREを目指す人の第一歩といえるでしょう。

 FIRE後にお金が尽きたらどうする? という問題があります。4%ルールに従えば30年暮らせると説きます。しかし、人生100年時代にあり、30年の生活保障に安心感はありません。お金が尽きたとき、お金が尽きかけたときに、稼ぐ力が残っているかが問題です

 30年もの間、仕事をしてこなかった中高年や老人を雇いたいと考える事業者がどのくらいいるのか疑問です。ただし、日本では障害年金や生活保護などのセーフティネットがありますから、安心してFIREを目指し失敗したら社会保障に頼るという考えもあり得ます。

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