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コロナ禍の米国で食肉離れが加速。「食肉ノー」の料理レシピサイトも

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人気の料理レシピサイトも食肉にノー

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代替肉バーガーの断面 ©Impossible Foods

 人気の料理レシピサイト「Epicurious(エピキュリオス)」でも、2021年4月に(地球温暖化や動物愛護問題などを理由に)「今後、肉料理の新しいレシピは紹介しない。その代わりに代替肉を使ったレシピを紹介していく」と宣言して話題になっており、さらに消費者の食肉離れ傾向に拍車をかけている。

 市場調査の「ニールセン」の調べによると、「コロナ禍の2020年5月から2021年5月のあいだに、食肉の売上高は600億ドルを超えた。一方、代替肉の売上高はわずか9億3200万ドルだったが、前年比で25%増加している」という。

 今年は国連(United Nations)が定めた「国際果実野菜年(International Year of Fruits and Vegetables 2021: IYFV 2021)」だ。世界で、果実と野菜が「人間の栄養」「食料安全保障」「健康」「持続可能な開発目標 (Sustainable Development Goals/SDGs)」に果たす重要な役割について、意識啓発を行なっている。

魚、卵、ミルク…代替食品が続々

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©Impossible Foods

 世界各国では、代替肉のほか「代替魚」「代替卵」「代替ミルク」などバラエティ豊かに代替食品が登場している。

 代替魚は、大豆、トウモロコシ、小麦粉などで魚を再現している。代替卵は、緑豆で卵を再現している。代替ミルクは、日本でもおなじみの豆乳をはじめ、アーモンドやオーツやココナッツミルクなどを原料としたミルクだ。

 余談になるが、筆者が「ホールフーズ・マーケット」で購入した「Back to Nature Foods(バック・トゥー・ネイチャー・フーズ)」(1960年に創業したクッキーやクラッカーなどを製造販売する食品会社)のクッキーの箱を見ると、「Plant Based Snacks(プラントベースド・スナックス)」とあった。調べてみたら、コロナ禍の2020年2月に「植物を基にした原料のみを使用する方針に変えた」という。

代替肉

筆者が購入した「Back to Nature Foods」

 今後、日本でも代替肉をはじめ、動物性食品に代わる野菜を使った代替食品が出てくるだろう。人間の身体と地球の環境に優しい代替肉、今後の動向に注目したい。

<TEXT/藤本庸子 Yoko Fujimoto>

米国カリフォルニア州ロサンゼルス33年在住のフリーランスライター。雑誌「アンアン(anan)」「メンズクラブ(MEN’S CLUB)」などのライターを経て、米国へ移住。米国起業家向け雑誌トップの「Entrepreneur Magazine」にてスタッフライター、NHKラジオ第一放送「ラジオ深夜便」ワールドネットワークにてリポーターの経験も。現在、新聞、雑誌、ウエブサイト、ラジオ、テレビなど、さまざまな分野および媒体をこなす

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