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仮想通貨、宝くじ、競馬で「1億円儲かったら」税金はいくらになるの?

コラム

もし競馬で1億円の払戻金があった場合は?

競馬

 1億円の払戻金を受け取った場合どうなるでしょう。

(1):一時所得の場合
(1億円―馬券購入費用―50万円)×1/2×所得税率となります。

 馬券の購入費用が1万円であれば、一時所得は約5000万円、所得税率は45%として納税額は2250万円となります。さらに、翌年は住民税として税率10%、納税額500万円が課せられます。

競馬①:利益1億円、税額2750万円、手取り7250万円

(2):雑所得の場合
(1億円―ハズレ馬券を含めた購入費用)×所得税率となります。

 1万円しか馬券を買ったことがなければ、利益はほぼ1億円。所得税率45%で4500万円、住民税率10%で1000万円、合計5500万円の納税が課せられます。一方で、馬券の研究を通じてハズレ馬券の購入総額が(有り得ない高額ですが)1.5億円であった場合、利益ではなく5000万円の損失が発生していますから、所得税は0円、住民税も0円です。

競馬②:利益▲5000万円、税額0円、手取り▲5000万円

 いかがでしょうか。儲かった! 当たった! と聞けば羨ましいものですが、納税は待ってくれません。喜んでお金を使い果たす前に、いつ、いくらの税金を支払う必要があるのか計算しておくべきでしょう。なお、利益が出て納税が確実な人は、税金の計算は税理士に委ねたほうが安心ですし、税務調査などの対応もありえますから安全です。

 となりの芝生は青く見えますか? 実際は、日本で生活する限りはあまり美味しいことでは無いのかもしれませんね。

<TEXT/高橋成壽>

1978年生まれ、小学4年時に株式投資に興味をもち、大学在学中に株式投資を始める。慶應義塾大学を卒業後、金融系のキャリアを経てファイナンシャルプランナー事務所を設立。シングルマザーから上場企業の創業者まで幅広い顧客層が特徴。有料のFP相談の他、無料の専門家マッチングサービスとして「ライフプランの窓口」「住もうよ!マイホーム」「保険チョイス」他を運営。東海大学非常勤講師。連載:SankeiBiz、会社四季報オンライン、Yahoo!個人。著書『ダンナの遺産を子どもに相続させないで』(廣済堂出版)
Twitter:@fpooji

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