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口座開設で1000円もらえる“Z世代向けネット銀行”に、プロが抱いた2つの懸念

コラム

年間7200円でプレミアムサービスも

 顧客ターゲットは1981年以降生まれのデジタルネイティブ(幼い頃からインターネットや携帯電話が身近にあった世代)で1年目に顧客40万人、3年目には120万人を目指すという

 さらに、プレミアムサービスがあるという。こちらは有料で毎月600円、年間7200円かかる。このプレミアムサービスに入ると、カバーという残高が不足時には最大5万円まで無利子で立て替えてくれる機能があり、ATMの入出金が毎月15回、他行宛の振込が毎月10回まで無料になる

 デビットカード利用で付与されるポイントサービスも5倍になる。現在、これらのプレミアムサービスを1年間無料で試せるキャンペーンも行なっている。

元銀行員の筆者は加入しない。理由は?

銀行

 さて、筆者はデジタルネイティブ世代ではないので、もともとターゲット層ではないが、今のところ口座開設は控えようと思う。初めは取材を兼ねて口座を開いて1000円もらって、即1000円を引き出して、すぐに口座を閉じればいいかなとも思ったのだが、有料のプレミアムサービスを使わない限り、現金の引き出しは必ずお金がかかることを知らなかった

 例えば、ゆうちょ銀行なら、郵便局のATMでいつでも手数料無料で入出金ができる。他のスマホをメインデバイスに使う銀行も、親会社の大銀行のATMなどが無料で使えることが多い。ところが、みんなの銀行にはリアルな支店がない。現金が欲しい時はセブンイレブンのセブン銀行を使わなくてはならず、その入出金には必ず110円かかる。他行への送金はスマホでできるが220円かかる

 筆者はこの20年他人の口座への振込手数料を払ったことは二度しかない。口座のお金を引き出し現金化すると金がかかるので、デビットカードとして利用し、買い物に使えばいいのだが、その還元率は0.2%。通常のクレジットカードを使った時の還元率は0.5%。それ以上のものも少なくない。

 筆者が常用しているものは2%なので、プレミアムサービスを使ったところで、美味しくない。例えば、毎年200万円くらいの買い物をする人は、2%なら4万円分の還元があるが、0.2%なら4000円だ。1%でも2万円だ。ただし、7200円の会費を考えると1万2700円。美味しくない。

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