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怒鳴るクレーマーを一言で撃退。28歳男性が目撃した鮮やかな一部始終

コラム

社章のバッジから勤務先を特定

「さすがにあの状況で気にせず食事を続けることはできませんよ。Kさんを諫めたほうがいいのかなとも思いましたが、スーツの男性と違って頭に血が上っている様子ではなかったですし、状況を見守ることしかできませんでした」

 絡まれてもまったく怯まなかったKさんは男性に向かって、「こちらは食事中なんです。隣であなたの大声を聞かされながら食事する身にもなってくださいよ。別に声のトーンを落として話すことくらいできますよね?」と諭すような口調で話します。

 これに対して「黙って食えばいいだろ!」とキレられたそうですが、まったく引く様子は見せませんでした。

「それどころから『わかりました。では、ここでのことを○○(※サラリーマンの勤務先)にクレームとして入れさせていただきますね』と言ったんです。男性のスーツに付いていた社章から勤務先がわかったようなのですが、短いやりとりの中でそこまでチェックしていたKさんの観察眼に驚きました」

勤務先に一部始終を報告

 男性にとっては予期していなかった一言だったらしく、勤め先がバレたことで動揺しているのが傍目にも分かったとのこと。すると、財布から取り出した1000円札を叩きつけるようにテーブルの上に置くと、無言でKさんをひと睨みして店を出て行ったそうです

 その後、店員さんからは何度もお礼を言われ、食後には注文していなかったコーヒーを2人分サービスとして出してくれたとか

コーヒー

「でも、Kさんから後日男性の会社に本当にクレームのメールを出したと聞いたときはビックリしました。脅し文句として言っただけだと思っていたので……。普段は頼れる兄のような存在ですごくいい人なんですが、この人だけは絶対に敵に回しちゃいけないと感じました(笑)

 クレーマーにも一歩も引かない毅然とした態度は立派ですけど、問題なのは社章バッチを胸に付けたまま注文ミスに対して恫喝まがいの文句を言う男性。会社の顔に泥を塗ってしまうことになりますし、このような行為は控えてもらいたいものです。

<取材・文/トシタカマサ イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中

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