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誘拐犯の息子にインタビューしたら、展開が斜め上すぎた/聞かせて、YouTube事件簿

コラム

 インタビュー好きのライター・さわだが、訳ありな人にインタビューをするYouTubeチャンネル「人の話を聞くさわだ」から、聞いただけでは割り切れない、忘れられない、なんならだれかに解説してほしいインタビューをピックアップ。第1回は「誘拐犯の息子」の話。これって、どう思います?

誘拐

※イメージです(以下同じ)

※YouTube「誘拐犯の息子に話を聞いたら展開が衝撃的すぎて感情がついていかなかった【音声インタビュー】」をもとに加筆構成

父親が誘拐犯の友人に話を聞いてみた

 10年来の友人・小沢君(仮名)が誘拐犯の息子だった。共通の知人からチラッとそんな話を聞いたので、小沢君に確認したら「そうそう。俺、誘拐犯の息子なのよ」とノリが他人事だ。意を決して「世間からバッシングを受ける加害者家族の苦しみ」について聞こうと思っていたたのだが……。フタを開ければ加害者本人が1番の被害者となる事件だった。

──デリケートな問題だから何から聞いていいのか難しいんだけど、それはいつの出来事なの?

小沢「20年くらい前で俺が高校3年生の時かな。つっても、お母さんから話を聞いただけだからどういう事件だったのかはそんなに知らないんだけど…」

──母親から? 父親本人からは聞いてないの?

小沢「う~んとね…。順序立てて話すと、そもそも俺が中学校の時に両親は離婚してるのね。で、お母さんに引き取られて、親父とは誕生日とかでちょいちょい連絡は取ってたんだけど、それからはほとんど会ってなかったんだよ」

──離れて暮らしてたんだね。

小沢「高校3年の時にバイトしてたらいきなりお母さんから『早く帰ってこい』って連絡が来たのよ。それで帰ったら『親父が死んだ』って…」

誘拐犯であるはずの親父の死

お葬式

──え!? 死んだ!? ちょっと待って、親父さんが誘拐犯の側だよね?

小沢「そうだよ。それで俺も詳しく知りたかったんだけど、お母さんがものっすごい怒っててあんまり聞けなかった」

──どういうこと…? なんで親父さんが亡くなってお母さんは怒ってるの?これって本当に誘拐の話?

小沢「誘拐の話、誘拐の話(笑)。お母さんの怒りは、警察から遺体の引き取りとかそういうのをしなきゃいけなくて、『別れてまで迷惑かけてんじゃねーよ』ってことだと思う。親父は中国の人だからあっちのじいちゃんばあちゃんとも連絡取らないといけないし」

 元旦那の死よりも、遺体引き取りのめんどくささが勝ってしまった小沢君の母親。離婚、中国人である父の死、母の怒り、まだ誘拐の「ゆ」の字も出てきていないのに、事件は感情の追いつかない展開に。事実は小説よりも奇なりというが、こんな映画があったら、「そうはならねーだろ」と醒めてしまいそうだ。

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