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NetflixやHuluに対抗か。U-NEXT、海外ドラマ「独占配信契約」の本気度

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アメリカでは劇場公開と同時に配信開始

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 それであれば、U-NEXTやCSのチャンネルのようにHBO Max作品を振り分ける「バラ売り」形態が無難である。

 さらにコロナ禍の中で、世界中の映画館が経営不況という状況での『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が歴代ヒットというニュースは、良くも悪くも世界中に広まり、日本はまだ映画で稼げる国だと認識された。

 なので、2020年12月に突如発表された追加料金なしで『ワンダーウーマン1984』『ゴジラVSコング』『モータル・コンバット』『マトリックス4』などのワーナー作品を劇場公開と同時にHBO Maxで配信するというスタイルは、あくまでアメリカに限ったことであり、日本では適応されないであろう。U-NEXTの場合も映画に関しては契約していないと発表している。

結局、日本での展開はどうなるのか

 Netflixは圧倒的なオリジナル作品数を抱えているため、国によって自社作品以外の作品が異なったとしても問題がない。ディズニーはDisney+としては、まだまだオリジナル作品は少ないが、今まで自社で制作してきた映画やディズニー・チャンネルのオリジナル作品を多く抱えていて、これらを独占配信できるだけでも通用する。

 Disney+のようにワーナーが自社の関わる作品を全て独占的に配信できる状態にするのであれば可能かもしれないが、日本においては少なくとも現時点では不可能である。

 動画配信サービス戦国時代に、そんなスカスカな動画配信サービスが生き残れるだろうか……。同様にMTVやニコロデオン、パラマウントを参加にもつバイアコムが企画しているパラマウント+の日本展開も怪しいものである。

 そのため結論として、Amazonプライムビデオの中でも別契約のチャンネルが存在しているように、独立した動画配信サービスではなく、ひとつのチャンネルとして上陸するのであれば可能性はあるのではないだろうか。

<TEXT/映画ライター バフィー吉川>

映画評論家・映画ライター。映画情報&批評サイト「Buffys Movie & Money!」を運営中。Stand.fmなどの音声メディアで「バフィーの映画な話」も定期的に配信中。著書に「発掘!未公開映画研究所」(つむぎ書房)がある

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