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「コロナ禍で収入ゼロだった」新卒フリーランスから地方で起業した24歳女性のモットー

ビジネス

起業したのはひとつの「手段」

――下田ではどんな活動をしましたか?

藤井:昨年8月に、下田市で行われた地域課題解決プログラムに参加をしました。それまで、地域課題って考えたことがなかったので最初はすごく難しかったです。最終的には、下田は観光資源に依存しているという点に着目しまし た。海がとても綺麗なので、夏は観光客が多く訪れますが、冬はガランとしています。温かい人がたくさんいる下田 だからこそ、観光の定義を「人」に変えたいなと。

 それで、下田の虜になってズブズブに好きになる人を増やすための「株式会社しもズブ」の設立に至りました。ただ、本当は起業にはずっと興味がなかったんです。結果的に会社を設立しましたが、これも私にとってはひとつの「手段」。

 旅をしながら働いているので、書類手続きなどのアナログ作業が大変でした。でも、起業したからこその出会いや依頼も増えたので、起業して良かったと思っています。

――ワーケーションをしていますが、下田のどんなところが魅力的ですか?

藤井:地方ならではのフランクさとか、人との距離の近さがすごく好きです。地元の人と仲良くなることで仕事をもらったり、講演会を突然依頼されたりすることもあります(笑)。ただ、時間の管理には気をつけないといけないですね。1か月後の予定もわからない自由さだからこそ、自分で判断しないといけないことが多くて。あれこれ作業していて、気づいたら電車やバスを逃すなんてことも(笑)。

その時を楽しく生きたい

しもズブ

――今後、会社として取り組んでいきたいことはありますか?

藤井:今は「しもズブ HUB」という、関係人口を増やすためのコミュニティを作ろうとしています。地域住民と下田に来た人が繋がり、「帰って来る場所」になるようなHUBを目指しています。下田の人に惹かれた自分がモデルケースとなり、下田をきっかけに新しいことを始める人を増やしていきたいです。

――個人として今後挑戦したいことなどはありますか?

藤井:あまり将来のことを考えることはなくて。その時を大事に楽しく生きたいと考えています。強いて言うなら、カフェを作りたいなとか。繰り返しになりますが、フリーランスという働き方は手段でしかないです。もしフリーランスになりたい方がいたら、なぜフリーランスになりたいのか、本当に自分が実現したいことを考えてから行動するのでもいいと思います。

<取材・文/清永優花子>

【藤井瑛里奈】
1996年生まれ。大学卒業後、就職せずにフリーランスに。2020年10月に静岡県下田市に移住して株式会社しもズブを設立、代表取締役に就任。SNSでは旅先のワークスポット&生き方働き方について発信
Twitter:@_erina912
Instagram:@_erina912

知的好奇心旺盛なフリーライター 。新体操歴17年、スポーツ系学部の出身。インタビュー記事の執筆が好き。Twitter:@0901_shinka

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