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紙おむつ素材で世界シェアNo.1、ドラマにもなった意外な優良企業

ビジネス

 高吸水性樹脂の世界トップシェアに加え、塗料や接着剤などに使われる「アクリル酸」開発など、他にも主力事業を持つ日本触媒ですが、池田全德取締役会長(当時代表取締役社長)は過去のインタビューで「自社はまだまだ」と語っています。

日比谷ダイビル

日本触媒東京本社が入居する日比谷ダイビル ©妖精書士 CC BY 2.0

「収益が高吸水性樹脂一本足になっている。JSRやクラレのように、世界一の製品をもっと増やさないと」(『週刊ダイヤモンドオンライン』より)

 また、2017年より就任の代表取締役社長の五嶋祐治朗氏は、「新生日本触媒2020 NEXT」と題した、2017年度から4年間の経営方針を打ち出しています。

 そのなかで、主力である高吸水性樹脂事業の競争力強化や、新規主力事業の創出を掲げています。

 新興国の紙おむつの需要拡大や、先進国での高齢者増加により、高吸水性樹脂に対するニーズは、世界中で年々高まっています。こうした現状を受けて、同社では「高吸水性樹脂」事業の競合との差別化や、海外への工場拡大を進めているそうです。

知られざる国内企業の底力に驚き!

 ネット上では、番組放映を受けて、普段目にすることのなかった企業に興味を持った、感心したという意見が多く寄せられました。

「今新幹線に乗ってるけど、朝にテレビで見た広告を実際に見ることができて嬉しかった」「長年、新幹線で目にしていて謎だった企業について知ることができて面白かった!」

「番組に出ている工場へ見学に行ったことがあるけど、番組のとおり、とてもすごいところだった!」

 2020年の東京オリンピックを経済的成長の機会と捉え、多くの企業が積極的な戦略を打ち出しています。経済収益の効果だけではなく、世界に誇る日本の国内技術が、今後どのように発展していくかにも注目していきましょう。

<TEXT/湯浅肇>

中高を一貫の女子校で過ごし大学で美術を学ぶ。公立美術館で2年半の勤務を経て、現在は時事やビジネス情報を中心に執筆をする。旅行と音楽と犬が好き

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