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紙おむつ素材で世界シェアNo.1、ドラマにもなった意外な優良企業

ビジネス

 世界に誇る日本の企業をどれくらい挙げられますか? トヨタ自動車、任天堂、パナソニックなど日本の創造力と技術力を発揮して、世界的なシェアと知名度がある企業は少なくありません。

大企業

※画像はイメージです(以下同じ)

 実は、そのひとつとして注目されている企業が「株式会社日本触媒」です。7月15日放送の『がっちりマンデー!!』(TBS)でも、日本経済を陰で支えている大手企業として同社が取り上げられ、その注目度の高さが伺えます。

紙おむつ世界トップシェアを生む“魔法の粉”

 日本触媒の「高吸水性樹脂」。一見ただの白い粉のようですが、1gで100mlもの水を吸収することができます。この画期的な性質を持った高吸水性樹脂は、紙おむつや、土に混ぜることで貯水し砂漠化を防ぐ「園芸用保水剤」などに使用されています。

 そして、もっとも驚くべきは、そのシェア率の高さです。2018年3月期の日本触媒全体の売り上げは、3228億円にものぼります。なかでも高吸水性樹脂は、トップシェアを誇る商品であり、世界の紙おむつの4分の1で、日本触媒のものが使われています。

 また、同番組では、他にも日本触媒開発の優れた素材が紹介されました。「コンクリート混和剤用ポリマー」と呼ばれる商品は、たった2ccで4kgのコンクリートをサラサラの状態にし、工事の作業効率を格段にあげることができるというもの。

 近年の高層マンション建設では、ほぼ100%使用されているという程の普及ぶりです。

「日本触媒」ってどんな会社?過去にはドラマ化も

紙おむつ

 日本触媒は、1941年創業の、触媒技術の開発を中心に行う企業です。

「触媒」とは、それ自身は変化せず、他の物質の化学反応を速くする物質を指します。日本触媒では、こういった自社開発の触媒技術を利用し、「高吸水性樹脂」や「コンクリート混和剤用ポリマー」をはじめ、社会のあらゆるシーンで役立つ素材の数々を開発しています。

 また、日本触媒(旧・日本触媒化学工業)は、過去にテレビドラマにもなった、高杉良原作の『炎の経営者』(文春文庫)のモデルとなった企業としても有名です。

 内容は、日本触媒の2代目社長にして実質的な創業者である八谷泰造の人生を描いたもので、戦中の日本の小さな町工場から始まり、当時不可能と言われていた石油化学の国産技術を獲得するまでの物語です。

 その経営者・技術者としての駆け抜けた情熱的な姿は、今もなお多くの人々の心を打ち、「ビジネスマン必読のロングセラー」として名の挙がり続ける作品です。

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