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元GMO受付嬢が30代で起業。11年の接客経験は「シビアな世界」

ビジネス

受付先のグループ会社が後のクライアントに

 自身が所属していた企業や受付業務で知り合った企業の従業員に積極的に会いに行き、キャリアについて相談するように。

「正社員で総務部に入社する話や受付のコンサルタントとして働くことも考えましたが、どれも“私以外の人でもできること”だと思ってしまって……。自分の今までの経験が活かせることはなんだろうと考えた結果、『受付嬢のときに抱えていた課題を解決できるサービスをつくろう』と起業を決意しました」

 橋本さんが起業するにあたり大切にしたのは、周りから応援される存在になること。上司に退職の意思を伝え、実際に辞めるまでの期間を1年と、あえて長めに置いた。引き継ぎや後輩の育成など、自分がいなくなったあとも問題なく現場が回るようにするための配慮だ。

「退職するときは上司も同僚も起業を応援し、こころよく送り出してくれました。所属していた企業の中には経営者になったあとも交流が続き、クライアントになっているところもあります」

創業期に活きた“人脈”と“コミュニケーション術”

レセプショニスト

クラウド受付システム「RECEPTIONIST」

 受付嬢として働いている間も起業準備も進め、2016年に会社を創業。2017年よりクラウド受付システム「RECEPTIONIST」をスタートさせた。最初に苦しんだのは、事業をする上で欠かせない資本政策を作成すること

「受付業務しか経験していないのにいきなり会社を作ったから、資本政策をつくるための数字周りがまったくの無知で。参考になりそうな本を読んでみたものの、正解があるわけでもないから何もわからない……。そんななか助けてくれたのは、やはり周りの応援してくれる人たち。投資家の方が資本政策の作成に強い税理士を紹介してくれたんです」

 受付嬢時代の経験は人脈だけでなく、コミュニケーション術にも活きているという。

受付では120万回以上、お客様や従業員に接してきました。その中には日本を代表する大手企業の経営者も。たとえどんな相手だとしても、いつでもペースを崩さず、笑顔で臨機応変に対応することが求められます。11年間さまざまな方に接してきたからこそ、営業未経験でも物おじせず、自信を持ってサービスの魅力を伝えることができました」

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