UberEatsと闘う「出前館」が重視する“配達の質”「毎朝、朝礼してます」
毎朝の朝礼で仕事の心構えを伝える
料理をピックし、配達先をアプリで確認しながらバイクや自転車で移動して届ける。一見、単純な労働に見えるが、出前館はアナログな要素も取り入れた教育を心がけている。
「拠点では毎朝、朝礼を実施しています。配達件数や安全運転の共有、接客用語の唱和などを行ってからデリバリー業務に入る。これは傍(はた)から見ると古くさいと思われてしまうかもですが、配達品質はデリバリースタッフにかかっています。お客さまにお届けするマナーや態度、仕事への心構えを朝礼で伝えていくのは、非常に大切だと考えています」
出前館の考える配達品質とは「出来たての熱々な料理が崩れない状態で届くこと」「約束した時間に配達できること」「配送員の身だしなみがしっかりしていること」の3つであるという。
月1000名単位で配達スタッフを採用
配達スタッフの雇用にも注力。雇用機会を失った飲食関係の従業員を受け入れたり、直雇用ではない業務委託のGIGワーカーを募集したりと、一時期は毎月1000人ほどを採用してきたそうだ。
「実はコロナになる以前の日本では、外食市場におけるフードデリバリーの割合はほんの2~3%くらいだったんです。飲食店側も『テイクアウトを準備するのが面倒なのでイートインで十分』と出前館の加盟を断わられるケースも多かった。
それがコロナを契機にフードデリバリーを始めるお店が4~5倍に増え、一気に需要が高まったのを感じます。今まではピザや寿司といった『プチハレの日』に頼む料理が多かったのが、一般化したことで日常メニューの注文も増えました」