bizSPA!フレッシュ

バーガーキング、“笑える広告”の狙いとは。「価格ダジャレはスベった」

ビジネス

 2020年は、新型コロナウイルスの影響によって多くの飲食チェーンが規模を縮小する年となった。気づいたら街中で空きテナントをよく見かけるようになったという人も多いのではないだろうか。

バーガーキング

バーガーキングの店舗

 そんな多くの飲食店が苦境に立たされる中で攻勢を続けているのがバーガーキングだ。バーガーキングを運営する株式会社ビーケージャパンホールディングスは2020年に25店舗を出店。2021年もすでに41店舗を出店する計画だという。

 その躍進を続けている社員たちのインタビュー。前編は「植物バーガー」の開発秘話に迫ったが、今回は躍進を支える広告戦略の背景を探った。

世界2位のチェーン数、70年後には日本一!?

 バーガーキングは1953年にアメリカで創業されたハンバーガーチェーンで、現在は世界100か国以上で約1万7800店舗を展開している。この店舗数はマクドナルドに次ぐ世界第2位の規模となっている。

 日本には1993年に進出。撤退や再進出などもあるなかで、2017年から現行の体制に落ち着いている。

 2020年12月段階で国内では111店舗を展開。2020年の大量出店によって全国の店舗数を3桁に乗せた。また2021年はさらに店舗数を増加させる予定で、10月29日には「約70年後の2090年に日本一の店舗数を誇るハンバーガーチェーンとなります」と半ば冗談、半ば本気とも取れるリリースも発表している

2020年はコロナでの軌道修正

 攻勢を続けるバーガーキングにとっても、コロナは予想外だった。バーガーキングのマーケティングディレクターを務める野村一裕氏はその影響をこのように語る。

バーガーキング

マーケティングディレクターの野村一裕氏

「コロナにより出店条件を大幅に見直しました。デリバリーオーダーやテイクアウト需要が増え続け、店内で飲食されるお客様が減っている。その流れに合わせて新規出店の立地や規模、出店タイミングを一気に変更しました」

 一方で、社内での働き方にも変化があったが、ポジティブな面での変化が多かった。「リモートワークになったことによって社内の団結が深まった」と野村氏は話す。

「離れていても、それぞれの部門がすぐ動く。チームプレーが非常によくなりました。オフィスで直接顔を合わせていると、話したいことがあっても忙しそうにしていたら声をかけにくいということもあります。私たちの場合はリモートになって意識的に各々のスケジュールを積極的に共有しあったり、毎日短い朝会を行ったりしました。そのことで以前よりもコミュニケーションがとりやすくなり、スピードや効率が上がりました」

 バーガーキングでは、コロナ禍における世間の状況に応じて、プロモーション企画を調整しており、時には3週間前に変更を加えることもあるという。出店の方針や、社内の働き方などを、コロナの影響に合わせて柔軟に変更できる点がバーガーキングの攻勢につながっている。

おすすめ記事