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ラジコ急伸、チャーハン特番etc.「2020年のラジオ界」を振り返る

暮らし

事件⑤ 実験的な放送が相次いだ

 ASMR特番では、花火大会特番、湯けむり特番のほか「笑い屋さん特番」も放送された。『笑い屋さん特番~プロの笑い屋さんが生放送に登場。2020年を笑い飛ばしたいSP~』(文化放送、12月14日深夜放送)は、昭和のバラエティー番組でおなじみの「笑い屋おばちゃん」と、伝統芸能研究家にして笑い屋でもあり、TBSラジオ『問わず語りの神田伯山』(金曜21時30分〜22時)でおなじみ「シゲフジくん」こと重藤暁さんが生放送でひたすら笑い続けるというシュールな企画だ。この回は「部屋を真っ暗にして聴くと非常に怖い」という知らなくてもいい情報が飛び交い、実際に試す人も現れた。

 ASMR特番に続けとばかりに立ち上がったのが長崎のNBCラジオ。から揚げの調理音(食べる音つき)を3時間にわたって放送したり、第2弾では「虫の音特番」も放送した。同局の村山仁志アナウンサーの家の庭におよそ10日間にわたって毎晩、虫の音を録音し、編集した音源を放送した。

 途中で酔っ払いの叫び声が入ったり、ネコ同士のケンカの音なども入ったそうで村上アナは別の番組で「編集がとにかく大変だった」とポツリ。ちなみに、ネコ同士のケンカの音はオンエアされた。

事件⑥ 地元ミュージシャンの救済企画も

ごぜん様さま

画像はRCCラジオ公式サイトより

 コロナ禍で音楽活動ができなくなってしまったミュージシャンに手を差し伸べた一例もある。広島のRCCラジオの人気番組『平成ラヂオバラエティ ごぜん様さま』(月曜〜金曜 9時〜11時40分)では地元にゆかりのあるミュージシャンの楽曲を紹介するコーナーを一定期間設けた

 また、ライブができなくなってしまった地元のミュージシャンを救済すべく、パーソナリティーの横山雄二、ごぜん様さまシスターズ(渕上沙紀・中根夕希・河村綾奈)が歌うオリジナルソング『毎日が日曜日/言の葉』を7月に制作。1000枚を通販で限定販売したところ、1週間を待たずして完売した。ラジオは「なんとかしてあげたい」という人々の心を動かした。

 そのほか、福岡のRKBラジオのワイド番組『笑売繁盛! ウメ子食堂』では、ゴールデンウィークに里帰りができない孫とおじいちゃん、おばあちゃんのために電話で繋いでメッセージを送り合う企画や、長崎のNBCラジオでは結婚式ができなくなったカップルのために、ラジオのスタッフが知恵を絞ってラジオで結婚式を行った。

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