マスクが会話を翻訳も。噂のスマートマスク、開発したベンチャーに聞く
ピンマイクとスマートマスクの違い
現在のところ、特定の人からの継続的な集音を目的としては、もっぱらピンマイクが使われている。今後、場合によってはスマートマスクがこれに取って代わることもあるのだろうか。
「ピンマイクでも良い場合はピンマイクを使えば良いのでしょうが、大容量バッテリーを本体に内蔵できる点など、スマートマスクならではの優位もあります。バッテリーは30時間(連続通話時)も持続しますから」
その他、C-FACEを着用したままトイレに入ると、用便の音が入ってしまわないかも心配になる。トイレに入るたびに着脱していたのでは、あまり衛生的ではない。その点でC-FACEは「話し声以外は拾わないので大丈夫」とのことだ。これは口とマイクの距離が近い設計の強みだろう。ただし、独り言が癖になっている人は注意して使ってほしい。
感染症対策といえば、持ち回り品の消毒にも気を遣う時代になった。C-FACEはこの点でも気を配っているという。「全体が抗菌素材でできており、センターモジュール(着用時に息が通る部分)は取り外して洗うことができるようになっています。消毒をしっかりすれば、センターモジュール以外は複数人で使い回すこともできます。もちろん、『1人1台』でも構いませんが」。
主眼は“サブスク翻訳”の活用か
前述したように、特定のアプリケーション上でしかC-FACEは利用できない。どのような対応アプリがあるのか聞くと。
「議事録の作成のほか、翻訳に役立つことを想定しています。日本語から英語へのリアルタイム翻訳も可能で、翻訳精度は現時点での最高精度です。その他、C-FACE専用ミーティングアプリの実用化も目指しています」
さて、コロナを恐怖してマスクを付け続ける時代があとどのくらい続くか小野氏の見解を伺ったところ、「おそらく半年から2年」だという。同時に、その後も「マスク着用」が定着するシチュエーションを指摘した。
「ワクチンが普及し、国内で“コロナ禍”が一段落した後も、海外旅行時にはマスク着用が習慣になると思います。やっぱりすべての国、すべての場所が衛生的とも限らないので。だからこそC-FACEの翻訳という機能に注目していただきたいです」