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マスクが会話を翻訳も。噂のスマートマスク、開発したベンチャーに聞く

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「日本製」への信頼が競争力を生む

スマートマスク

リアルタイム翻訳も可能になるようだ

 ところで、マスクにマイクを内蔵するというアイデアは新奇だが、単なる「マスク型のBluetoothマイク」であれば模倣は容易そうだ。中国企業による安価な類似品へのおそれはないのか。

「中国市場では、特許違反を含めて中国製品が多く流通していますが、日本やアメリカではそうでもない。たとえばAppleのほうがXiaomiよりも世界的に見れば売れています。ブランディングが上……ということです。それに、最近はアメリカ人も中国製品を買わなくなってきています」

 小野氏はC-FACEが「日本ブランド」であることを強調していた。「アメリカでも中国でも商売できるのが日本の強み」だということだ。現在のところC-FACEは極端な環境での利用を想定していないが、将来的にはバイオ研究室などの滅菌環境や、工事現場など危険の伴う騒音環境でも使われるようになるかもしれない。

 そうなれば、信頼性の高い商品には価格以上の競争力が生まれることになる。衛生新時代の「日の丸ガジェット」が世界に受け入れられるかどうか、その行方を見守りたい。

<取材・文/ジャンヤー宇都>

「平成時代の子ども文化」全般を愛するフリーライター。単著に『多摩あるある』と『オタサーの姫 〜オタク過密時代の植生学〜』(ともにTOブックス)ほか雑誌・MOOKなどに執筆

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