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元ゴールドマン・サックス社員が教える「投資初心者のための発想術」

コラム

 老後にもらえる年金が減っていくと予測される20代、30代にとって「人生の資金計画」は、上の世代に比べて、より切迫した課題といえます。

資産 お金

※イメージです(以下同じ)

 2019年6月、金融庁のワーキング・グループが公表した「このままでは老後の年金が2000万円不足する」という“年金2000万円問題”が話題になりました。収入を年金のみに頼る無職世帯では、老後20~30年を生きるために約2000万円の資金が必要になるという試算です。

資産形成に株式投資はアリ

 あれから1年以上が経ちましたが、新型コロナウイルスの感染拡大で多くの業界が苦境に立たされ、将来に向けて悲観的な見方が大勢を占めています。少しでも稼ぎたいと、今の会社での昇給や、新しい副業をはじめて貯金しようという人もいると思います。

 一方で、2000万円の貯金を目指すのは、道のりが長くて途方に暮れてしまう人も多いでしょう。また、お金を貯めようとしても、超低金利ないまの時代、銀行に預けても資産形成は難しいのが実情なのです。

 そこで、私がお勧めするのが株式投資です。ただ貯金するだけではなく、「投資」に資金を回すことで長期的な視点での資産形成を目指すほうが、よりよりお金に困らない未来が見えると思うのです。もちろん株式投資のみで2000万円増を目指したり、老後まででなく短期的に稼ごうとするのは、あまりオススメできませんが、資産形成の選択肢のひとつとして検討する価値は大いにあるかと思います。

 しかし、「投資」というと「難しそう」とか「怖い」といったイメージを抱く人も多いですよね。私の元にも、しばしば「まず何からはじめればいい?」といった声がときに寄せられます。恐怖を取り除き、できるところからはじめる株式投資のファーストステップをお教えします

社会の将来を考えよう

計算 資産

 まず「投資」の目的は、相場の浮き沈みがあっても最終的にお金を稼ぐことにあります。“最終的に”がポイントです。投資を始めたばかりの人が陥りやすい志向として、短期的な儲けや損に注目しすぎる傾向があります。その結果、一時的な浮き沈みばかりを気にして、損をすると怖いと思ってしまいやめてしまうパターンがよくあります。

 その初心者のトラップに引っかからずに、長期的に投資とうまく付き合っていくために必要なのは「楽しむ」ことです。ほかの趣味と同様に、楽しみながら投資ができるようになればしめたものです。楽しみながら投資をするために必要なことは、これからの世の中で起こることを想像する、という点につきます。

 投資とは未来予測です。「当たり前じゃないか、株価を当てるんだろ?」と思うかもしれませんが、株価を当てる前に、世の中がどうなるか、経済がどうなるか、あるいは投資しようとしている会社、業界がどうなるか? というのを予測することが、結果的に株価を予測することに繋がっていきます。

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